売るに売れない、管理費負担で大揉め…トラブル必至の「共有不動産」解消策を弁護士が解説 (写真はイメージです/PIXTA)

相続により共有となった不動産がある場合、売却時や管理費負担の所在などで揉めやすいと、相続や不動産に詳しいAuthense法律事務所の堅田勇気弁護士はいいます。トラブルのもととなる「共有」状態の解消策をみていきましょう。

相続により不動産が「共有」となるケース

相続が発生すると、相続財産については、相続人が承継します(有効な遺言がある場合は、当該遺言にそって相続財産を承継します)。相続人が1名であれば、相続財産を分割する必要がないため、相続により不動産は「共有」とはなりません。また、相続財産が、現金や預貯金など、分割できる財産であれば、「共有」とはなりません。

 

相続財産のなかに「不動産」があり、相続人が2名以上いる場合、「不動産」を共有で承継することがあります。

 

たとえば、

被相続人:母

相続人:長女・二女

被相続人の財産:自宅と預貯金300万円

というケースで、長女・二女が『自宅』を2分の1の割合で共有取得したという場合に、「不動産」が共有となります。

 

[図表]不動産共有の一例

 

相続が発生すると、葬儀の準備、各種届出、金融機関の手続きなど、多くの手続きが必要となります。そのため、遺産分割の手続きについて時間をかけることができず、ひとまず不動産は「共有」で承継しよう、という方も少なくありません。

 

不動産の「共有」は、取得するときにはトラブルは生じないのですが、「共有」状態が継続すると様々な弊害が生じてくるため、共有者間でトラブルが生じ、共有状態を早く解消したいと思うようになる方が非常に多いです。ここでは、不動産の「共有」について、よくあるトラブルや解消法について、解説いたします。

不動産の「共有」とは?

そもそも、「共有」とは、どのような意味なのでしょうか。「共有」とは、ひとつの物を複数の人が所有することをいいます。不動産について登記をすると、登記簿に共有者全員の住所、氏名、持分が記載されるため、登記簿謄本を取得すると権利関係を把握できます。未登記の場合には、過去の遺産分割協議書などで確認することになります。

 

不動産を共有すると、当該不動産の売却や解体の際に、共有者全員の同意が必要となります。そのため、せっかく不動産の買い手が見つかったのに、共有者のうちの1名が反対して、売却ができないということもあります。

 

また、共有不動産が建物であり、築年数が古い場合でも、解体するには、共有者全員の同意が必要です。たとえば、その共有不動産の共有者のうちの1名が住んでいたら、解体には反対するでしょうし、解体費用の負担割合などを巡ってトラブルが生じる場合も、解体をすることができないということにもなります。

 

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Authense法律事務所 弁護士

神奈川県弁護士会所属。一橋大学法学部法律学科卒業。
相続および不動産法務を中心に数多くの案件を取り扱う。不動産に関する知見を活かし、相続人が30人以上の案件など、複雑な相続案件の豊富な解決実績を有する。また、離婚案件についても高額の婚姻費用が認められた案件など多数の実績がある。
依頼者に寄り添いながらも第三者的な視点に立った助言を行うことをモットーとしており、迅速な対応による早期解決で依頼者の利益を最大化することを心がけている。

Authense法律事務所(https://www.authense.jp/)
Authense遺言・遺産相続(https://www.authense.jp/souzoku/)

著者紹介

連載Authense法律事務所の堅田勇気弁護士が解説!もめない相続を実現する方法

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