生命保険料控除とは?どれくらいお得か?
◆生命保険料控除は3種類ある
まず、生命保険料控除について、簡単に説明します。
生命保険料控除は、生命保険等に加入し保険料を支払った場合に、保険料の額の一部についてその年度の所得税・住民税の計算上、所得金額から差し引く「所得控除」を受けられるという制度です。
以下の3類型があります。
・一般生命保険料控除:終身保険、定期保険、収入保障保険等、生命保険が対象
・介護医療保険料控除:医療保険、がん保険、就業不能保険等が対象
・個人年金保険料控除:個人年金保険が対象
ただし、2011年以前に加入した保険については「旧制度」が適用されます。この場合、「一般生命保険料控除」と「個人年金保険料控除」の2類型しかありません。
10月になると、各保険会社から「控除証明書」が送られてきます。それぞれの保険につき、どの類型にあたるのか、保険料の金額、控除対象となる金額はいくらか、といったことが記載されています。
それを、年末調整、あるいは確定申告の際に添付して申告するのです。
たとえば、年末調整の場合には書式(令和4年(2022年)分 給与所得者の保険料控除申告書)があり、記載されている説明書通りに計算して記入することになります。
◆いくら所得控除を受けられるか?
控除を受けられる額は、「新制度」は「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれにつき【図表1】の通りです。
また、「旧制度」は「一般生命保険料控除」「個人年金保険料控除」のそれぞれにつき【図表2】の通りです。
なお、「新制度」の適用を受ける保険と「旧制度」の適用を受ける保険の両方がある場合は、調整規定があります。
新制度についていえば、控除を受けられる額は最大でも4万円×3類型の総額12万円までです。この最大限の所得控除を受けるためには、それぞれの枠について8万円ずつ、最低でも年24万円の保険料を支払う必要があるということです。