ライターとラーメン屋はどちらが儲かるか?
ライターの場合はどうでしょう。原稿を書くために、依頼があるたびにパソコンを買う人はいません。企画ものの記事などで原価がかかる場合もあるでしょうが、相対的に原価がかかりにくい商売だといえます。
ラーメン屋は材料費のほかにも店舗賃料やガス代、水道代などがかかります。都会の駅前でなければ、お客さんは車で来店することが多いので、駐車場を借りることもあります。ドラゴンラーメンでも、従業員用駐車場と来客用駐車場を店舗とは別に借りています。ランチタイムやディナータイムは来客が集中するため、席数によるものの、アルバイトも雇わなければなりません。
服屋もインターネットに販売を限定しなければ、店舗を借りることになります。水道光熱費もかかりますが、飲食店に比べると使用料はとても少ないでしょう。
お客さんが特定の時間に集中することもないので、面積が広くなければ、1人で店舗を切り盛りできるかもしれません。
一方、ライターに店舗は必要ありませんし、作業は自宅でできます。大多数のライターにはアシスタントもいません。よって、経費はほとんどかかりません。
ざっくりいうと、「利益=売上-経費」になるので、この式で考えるとライターが儲かりやすく、ラーメン屋が儲かりにくそうに見えますね。
一見、ライターの方が儲かりそうだが…
でも実際は、「ライターがラーメン屋や服屋より儲かりやすい!」という結論にはなりません。なぜでしょう?
ライターの報酬相場を調べてみました。未経験から始めた人は、1文字あたり高くても1円が相場です。記事は長いものも短いものもあるので、3000字の記事で考えてみましょう。原稿用紙は1枚400文字ですから、原稿用紙7枚半の記事を書いて3000円の報酬です。
宿題の読書感想文や作文で苦労した経験はないでしょうか? それだけでも大変な思いをした人が多いのに、仕事として依頼された文章を書くには技術が要りますし、相当な時間がかかります。慣れていなければ、1時間や2時間で書くことは難しいでしょう。
依頼を受けるのも簡単にはいきません。店舗がないので、自宅に「ライター始めました!」と看板を出しても、「おお、ちょうどいいところにライターがいた」と依頼者が来ることはありません。
記事を発注する会社とのつながりがなければ、「ランサーズ」などの仕事を仲介するクラウドソーシングサービスを使って仕事を探すことになります。
同じようにして仕事を探す人が多いため、「〇〇の分野に強い」といった特徴がなければ報酬の価格帯は抑えられており、単価を大幅に上げることは難しいでしょう。記事1本の単価が3000円であれば、週に5記事として、月に20記事書いても、6万円にしかなりません。
店舗がある服屋はどうでしょう。場所によってはふらっと店を訪れる人もいるかもしれません。ファッションに敏感な人であれば、新しい店が出ていないか、調べることもあるでしょう。
ですが、私も含め、おじさんの大半は洋服にあまり興味がありません。また、規模の小さいショップは、女性向け、男性向け、学生向け、社会人向けなど、店のジャンルは性別と世代を絞ることが多いです。
ターゲットがかなり限定されるため、コンスタントに集客することは難しいでしょう。