東京での成功をきっかけに、地元から両親を呼び寄せ、一緒に住むこととなったタレントの松本明子氏。仕事も忙しく給料も増え、思い切って両親と住む建て売り住宅を購入した彼女でしたが、空き家となった実家を手放すことなく、維持費を払い続けていたといいます。それはなぜなのか、みていきましょう。

「実家の維持費+ローン返済」で怒濤の節約生活に突入

両親と暮らし始めて3年目のこと。ある事件が起きます。

 

ペット禁止なことをちゃんと把握もせず、私がワンちゃんを飼ってしまったのです。当然、借りていたマンションの管理会社からは「困ります。管理規約違反です」と怒られてしまいました。

 

それで両親とも相談して、ここにはもう住めないし、どうせ引っ越すなら思い切って一戸建てを買おうよ、という話になり、建て売り住宅を購入、住み替えたのでした。

 

頭金は父が手元に残していた退職金から出して、私がローンを組みました。それからは「実家の維持費+ローン返済」で怒濤の節約生活に突入です。芸能界きっての「ドケチ」と言われるようになったのはこの頃から。

 

倹約した分はどんどん繰り上げ返済に充て、30年か35年のローンだったと思いますが、12年ほどで完済することができました。

 

デビューして長いこと売れなくて貧乏な時代が続いたのもありますが、もともと祖母や母が倹約家だったので、子どもの頃から節約の習慣が身についていたのです。

 

月のお小遣いの決まりがない家で、たとえば消しゴムが必要なら、それを母に伝え、お金をもらい、手作りの領収書に「〇月〇日 松本明子 消しゴム代〇〇円」と書いて、拇印を押して渡す。とにかくお金に厳格。まるで会社みたいな家でした(笑)。

 

でも誤解のないように言いますけど、ケチなのは自分に対してだけ。私服は10年愛用が基本ですが、人のためにはお金を惜しみません。知人の舞台への差し入れや大切な人への贈物などにはいつもドーンと奮発します。それが私のモットーです。

 

主人と結婚し、息子が生まれたのは、そんな節約生活の真っ最中でした。

 

私は結婚を機に両親と過ごした戸建てを出て、息子が幼稚園に入るまで埼玉の主人の実家で暮らすことになるのですが、両親は私が出たあともそのまま戸建てに留まり、高松へは帰りませんでした。この頃にはもう東京に永住する覚悟を決めていたのだと思います。

 

 

松本明子

タレント/女優
 

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※本連載は、松本明子氏の著書『実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

実家じまい終わらせました! 大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方

松本 明子

祥伝社

数十年前に建てたマイホーム。現在は子が独立し、故郷に親御さんだけが住み続けているという方がほとんどなのではないでしょうか。ゆくゆくは実家に住む人が誰もいなくなってしまうのは予想できるけれど、日々の忙しい生活でと…

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