地方企業・農林水産業の経営・後継者問題もITが解決
人手不足が深刻化している地方中小企業の経営にもITはとても大事です。
まだ地方の中小企業の多くでは、経費の精算のために出金伝票を細かく書いて提出し、経理がまた計算してという面倒なことを続けていると思います。
この経費精算も最新のITシステムを使えば、スマホのカメラでレシートを撮影したら、あとは全部システムが自動で処理してくれます。
物の流通場面でも、出荷・生産・在庫管理も業務システムを導入すればITが一気に処理してくれます。
営業やマーケティングの分野でもデジタル化が進みITが活躍しています。
購入者側の行動がまずインターネットへと大きく傾いたことを背景に、Webサイトに来る人を有望な顧客に育てようというマーケティングが進みました。デジタルマーケティングなどと呼ばれます。
最初は訪問者が誰か、個人までは特定できませんが、それが知りたいと思ってもらえるような魅力的なコンテンツがあればダウンロードしてもらえます。そのときにメールアドレスを登録してもらえば、次からはそのアドレスにニュースやメールマガジンを送ったりすることもできて、だんだん関係が深まっていきやがて購入になるという流れです。
Webサイト上の行動が精密に分析できていればいるほど、訪問者の期待するとおりの情報の提供ができて、その後の商談がスムーズに進みます。
デジタルマーケティングを使えば、少ない人員で効果的なマーケティングができます。
地方で専門的な技術を提供しているような会社の多くが、ベテランの技術者が定年退職するとあとを引き継ぐ若手がいない、という問題を抱えています。
手遅れにならないうちに、ベテランの技術といわれるものを動画やテキストとしてデータベース化し、若手がいつでもどこでも参照できるようにしておくといったことも考えられるはずです。
これがあればベテラン社員のこれまでの実績やスキルを受け継いでいくことができます。
また、地方では農業や林業、水産業などの一次産業でも高齢化や人手不足が深刻になっています。この解決にもITは大いに役立ちます。
種蒔きや収穫、土壌の分析、ビニールハウスの温度・湿度管理など、機械化・自動化できるところは多いし、収穫時期の判断や収穫したものの保存や鮮度維持、流通や在庫の管理などもITを組み込むことで効率化・省力化できます。
林業でも、ドローンなどを駆使すれば、山に入らなくても生育状況の把握ができます。
このように、人手不足に悩む地方こそ最もIT化の取り組みが必要で、その効果も大きいのに、それができていません。
もし地元の身近なところにIT企業があったら「こんなことできる?」とか「これロボットに任せられるかな?」といった相談が気軽にできるし、具体的にIT化に取り組むことができます。
導入後の運用サポートや保守の面でも、地元IT企業なら軽快なフットワークが期待できます。
ホームページやオウンドメディア(自社メディア)の作り方も相談できます。
これをわざわざ東京の会社を探して連絡を取り、打ち合わせを重ねて発注するのはとても面倒です。この点でも、地元の身近なIT企業の存在が期待されるんです。