ITエンジニアは実は誰でもなれて高年収
「ITエンジニア? そんなの無理無理!」と思うかもしれません。でも、大丈夫。
ITエンジニアは学歴、理系の知識、専門スキル、全部なくてもなれます。もちろん仕事をするうえで取っておいたほうがいい資格もありますが、仕事をしながら覚えていけばいいので、知識ゼロでもOK。それに、何よりも魅力的なのは年収が高いことです。
20~65歳の正社員の平均年収は403万円ですが、ITエンジニアの平均年収は438万円で、30万円以上も高いんです。また、30代のITエンジニアの平均年収は502万円で、これは30代全体の平均年収を60万円以上も上回っています(DODAの平均年収ランキング2021)。今はキャリアアップ制度も導入されていて、頑張れば頑張るほど年収は高くなっていくんです。
ITエンジニアは、誰もが想像するような、一日中パソコンに向かってひたすらコードを書く仕事だけではありません。プログラミングをしないITエンジニアはいくらでもいます。
仕事の内容によって求められるスキルや能力もまったく違っていて、筆者の会社にも文系出身でバリバリ活躍している人もたくさんいます。だから、最初から向いてないとか、この能力がないからダメとか、そういうことはまったくないんです。
しかも、都会に出なきゃできないということもありません。むしろ、ITエンジニアを今最も必要としているのは地方です。
例えば、手作業で1時間かかることが、ITを導入すれば5分で終わるなんてこともざらにあるのですが、行政でも、民間の企業でも商店でも、地方にはIT化できていないところがまだまだたくさんあります。
だから、ITエンジニアは地方でもできるどころか、地方でこそやらなければならない仕事だと思っています。
ITエンジニアは世の中に変革を起こせる仕事
ITエンジニアはDX(デジタルトランスフォーメーション)、デジタルディスラプションの担い手です。
DXとは、デジタル技術の活用により製品・サービスやビジネスモデルに変革を起こすものという意味です。
また、ディスラプションは「途絶」とか「崩壊」ということを指す強い言葉です。デジタルの力で従来の組織やビジネスモデルを壊して新しいものを創造するということです。
実際、アメリカのウーバー(Uber)は、営業車を所有しない世界初のタクシー会社といわれ、エアビーアンドビー(Airbnb)は宿泊施設を所有しない世界初のホテルだといわれています。
タクシーの配車事業をするのに車も車庫もドライバーも持たない、ホテル事業をするのに自分ではホテルも建てず、スタッフも雇わないんです。
これまで誰ひとりとして思いつかなかったようなサービスが、どんどん生まれています。すべてデジタルデータを使うITを活用して、新しいビジネスモデルを工夫しました。
音楽だって、音源を情報としてインターネットに流せばそれで終わり、欲しい人はダウンロードすればいいのです。
動画も、インターネットを使えば自宅をスタジオにして誰でも世界中に動画を配信できます。
さらに、IoT(インターネット・オブ・シングス)、つまりあらゆるモノがインターネットにつながり、さらにモノとモノがつながって情報をやりとりするということが起きています。
今まで得られなかったさまざまなデータが大量に入手できて、その分析に欠かせないAIもどんどん進化しています。
例えば、高齢者が一人暮らしをしている住宅の冷蔵庫やトイレのドアにセンサーが付けられ、その開閉に関するデータがインターネットを通して収集されたら、そのデータの分析によって普段と違う状況をいち早く察知することができます。
ある家電メーカーは、電気ポットの利用状況をデータで収集することで高齢者の生活の見守りができるようにしました。冷蔵庫とかドアとか電気ポットとか、それ自身は何の変哲もない生活用品なのに、その利用状況がデータになって分析されると、高齢者の見守りというまったく別の役割を果たすことになるんです。
総務省の「情報通信白書 2021年版」では、2023年には世界で341億台のIoT機器がインターネットに接続されると予測されています。どの機器のどんなデータが何に使えるか、きっと思いがけない使い道があるはずです。考えるだけでも楽しくなります。
デジタルデータとそれを世界中に運ぶインターネットによって、DXはもっと進み、DX抜きには新しい成長も発展もありません。世界中で新しいサービスやビジネスを創造して生活を一変させるような挑戦が行われています。
ITエンジニアって、このDXの担い手なんです。