近畿圏:好立地の賃料、上昇基調が強まる
■大阪府中心部では空室がまったくない
LMTの空室率は2.1%、前期から横ばいとなった。今期の新規供給1棟は満床で竣工し、既存物件の空室にも変動はなかった。物件の選択肢が少なく、足元ではテナントは移転を検討しにくい状況である。まとまった面積の空室を抱えた既存物件は4棟と少ない。
2022年中の新規供給はあと1棟あるが、すでに8割程度の面積でテナント内定済みである。需給バランスがタイトなことからデベロッパーの開発意欲は衰えておらず、滋賀県や奈良県にも開発立地が広がっている。
実質賃料は対前期比0.2%上昇し、4,120円/坪となった。特に交通アクセスや雇用確保に有利な大阪府の中心部では空室がまったくなく、今後の供給も限られる。そのため、スペックの高い物件を中心に賃料の上昇基調が強まった。それにともなって、中心部に近接する地域でも上昇する傾向がみられた。
中部圏:製造業のストック増加傾向が鮮明に
■需要は堅調、実質賃料は前期から横ばい
中部圏LMTの空室率は12.8%と、前期4.6%から8.2ポイントの大幅上昇となった。14.9万坪(6棟)にのぼる当期の新規供給による影響が大きい。これは既存ストックの3割を上回る過去最大の新規供給である。
一方で、今期の新規需要も9.6万坪まで伸び、こちらも四半期ベースの過去最大を記録。竣工時点で満床となった物件も2棟あった。こうした需要の背景には、自動車産業を中心とした製造業の生産財の在庫増がある。なかには、生産停滞で一時的に滞留した部材もあるが、全体として企業がストックを増強する姿勢が鮮明となっている。
2023年は2022年を上回る規模の供給量が予定されているが、プレリーシングは少しずつ進んでいる。空室率は急上昇したものの、実質賃料は3,590円/坪で対前期比横ばいを維持した。
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