(画像はイメージです/PIXTA)

地方自治体の頭を悩ます「地域活性化」「都市発展」問題。近年は、ウェブやSNSを活用した情報発信に力を注ぐ政策が多く見受けられます。なかでも「ゆるキャラ」や「ご当地アイドル」といったポップアイコンを活用し、情報拡散力を高める手法は2010年代初頭に巻き起こった「ゆるキャラブーム」終焉後も定着しています。くまモン、ふなっしーなど、ゆるキャラ界のスターが続々と誕生し、飽和状態となった2016年。自身が企画プロデュースした高知県・須崎市のしんじょう君をゆるキャラグランプリ1位に押し上げた市役所職員(当時)による著書『日本一バズる公務員』(扶桑社)から抜粋し、「ゆるキャラ」運営の秘訣や誕生秘話について解説します。

型破りな市長が『元気創造課』を設置

そんな中、楠瀬市長は「型破りであることが新しい発想につながるんだ」と擁護してくれました。先に述べたとおり、楠瀬市長は「新しい風」を市政に吹き込むことを期待され当選したばかりの新市長。そこに、斜めの方向から吹いてきた、私の「変な風」にシンパシーを感じてもらえたのかもしれません。

 

ちなみに、楠瀬市長は元高校球児。私立高知高校から1977年夏の甲子園に右翼手として出場し、市長になる前は地元のタクシー会社などを経営していました。リスクがあっても何割かの成功率があればゴーサインを出すような、部下の背中を押してくれる、頼れる上司です。

 

行政というのは存在を法律で義務づけられているから、公務員にはいろんな考えの人がいてもいい。そこが、会社と違うところです。さらに大らかでビジョンのある上司だったからこそ、こんな状況でも企画を続行できたのだと思います。

 

そして、まちづくりを本格的に行うため、企画課内の商工観光とまちづくりに関する業務を担うチームを独立させて、新しく『元気創造課』を設置することが決まりました。

 

「須崎市を全国に売り込むためには、一層の地域資源の磨き上げが必要。活力があり、行ってみたいと思われる魅力的なまちづくりの推進体制を強化しよう!」

 

市長が1年かけて練り上げていた構想と私の企画が奇跡的にシンクロした結果、新しい課の設置となったわけです。たぶん……。

ついにしんじょう君が誕生!

全国を対象にした『須崎市カワウソキャラクター新デザイン募集』ですが、私の条件に合うデザインって集まった約400件の中に1件しかなかったんですよ。

 

次の章で詳述しますが、私が思う「ゆるキャラ成功の条件」というのがあります。

 

目が合わず、特産品を持ちすぎず、30代以上の女性に刺さりそうなデザイン。まさに、私が求めていた条件を満たしたものがその大学生の作品でした。しかも、元気いっぱいなわんぱく坊やです。

 

もう、この子しかいない! いやむしろ、この子以外とやっていける気がしない。

 

輝かしい成功へのロードマップは、この子抜きには描けない!!

 

そうして選考委員さんの選考を経て、いろいろ手続きをして……そんな感じで、ぬるっと、2013年4月28日に産声を上げたしんじょう君。

 

生まれたてほやほやのしんじょう君が段ボールに入って市役所にやってきたその日、市長にかけてもらった言葉が印象的だったので聞いてください。

 

「守時、これで伝説をつくりなさい」

 

課のメンバーや市役所の偉い人たちと一緒にしんじょう君と初対面したあの日の出来事は、たぶん一生忘れられないでしょう。ちなみに私は「あ、はい」と軽めに答えてしまいました。

 

 

守時 健

パンクチュアル 代表

 

※本連載は、守時健氏の著書『日本一バズる公務員』(扶桑社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

日本一バズる公務員

日本一バズる公務員

守時 健

‎ 扶桑社

高知県須崎市という人口約2万人の小さな町に「革命」を起こした、ある男の物語。 新人職員にもかかわらず、ゆるキャラ・しんじょう君をプロデュースし、ゆるキャラグランプリで1位を獲得。 さらに、ゆるキャラとSNSを駆使し…

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