一般の人に不動産投資が浸透し、売るほうもドライに
不動産投資が一般の人たちのなかに浸透してくると、昔のような物件に対する愛着や手放すことへの抵抗感もなくなってきたと感じます。このため、投資する物件が実際にどのように使われているとか、周辺の環境といったことを気にする人は今はほとんどいません。
私たちが紹介する任意売却物件の場所、広さ、構造、利回りなどの特長をよく説明しますし、税金や管理費等の滞納処理についてもきちんと説明します。そのうえで、物件も入居者も優良であることを説明すると、ほとんどの購入希望者には十分納得していただけます。
ひと昔前であれば、「じつは入居者の質が悪いかもしれない」、あるいは「本当は説明よりも物件の質がずっと悪いのではないか?」という不信感があったことは事実です。このため物件を自分の目でしっかり確かめておくことが、不動産投資の必要条件のように言われていました。
でも、今は違います。買い換えや投資計画に基づいて、不動産投資の一環として売却される方が増えています。
また、元の所有者が家賃を別の目的に使ってしまったり、不動産に対する関心を失ったり、最初から不動産や自分にあまり関心がなかったりして、物件を手放すケースも多く見られます。売るほうもドライな時代なのです。
こうしたことから任意売却物件は、後々問題が起こるような〝後腐れ〟のある物件が出回る可能性は極めて少ないと思います。むしろ同業者からよく聞かされることは、元の所有者からの感謝の気持ちです。
元の持ち主にとって一番良い方法で処理
通常は、金融機関からの借入債務と任意売却価格には差額が生じます。それを債務整理で処理するか自己破産で処理するか、私たちは元の持ち主にとって一番良い方法で処理します。
ついこの前までは金融機関からの矢のような督促に怯えてなす術もなかったところを、一番良い道筋を見つけて債務整理してくれたと、まるで命の恩人のように感謝されることも多いのです。
それも任意売却物件の専門業者にとっての、ひとつの使命だと筆者は思っています。