入居率が高く、耐用年数も長い「築浅物件」
任意売却物件の特徴として、一般の不動産投資物件よりも安く手に入れられることや、比較的都心の駅近という立地条件の良いところにある中古物件が手に入りやすいことなどをお伝えしました。
もうひとつ「築浅」物件についてはどうでしょうか? 「新築」には、完成してから1年未満の誰も住んだことのない物件という法律で決められた定義があります。でも、「築浅」は不動産業界で便宜的に使われている用語で、法的な定義はありません。
厳密に言ってしまえば、新築以外はみな中古物件です。3年とか5年以内の中古物件は築浅だという意見もありますが、まちまちです。竣工後にすぐに入居して1カ月で手放したものも、3年間売れ残っていた中古マンションも、同じ築浅物件として扱われます。
でも、総じて築浅物件は、希少価値のある物件とされています。新しい建物なので見た目も綺麗ですし、設備やセキュリティなども最新のものが整っているので、入居者のニューズは他の中古物件よりも高くなるからです。
そのおかげで、入居者も安定して維持でき、新しいぶん物件自体の耐用年数も長くなります。投資用物件としては良いことずくめです。このため、築浅物件は任意売却だけでなく一般の不動産投資用物件にとっても希少価値のある存在です。
賃料を高めに設定でき、空室リスクも低い「好立地物件」
ただし、築浅物件は希少なだけに取引価格自体も高くなります。一般の投資用物件よりも10~15%程度安い任意売却物件でも、同じように築浅物件は年数の経っている中古物件に比べて高くなります。
では皆さんは、この築浅物件と都心の立地の良い物件では、どちらが安定して不動産投資を運用できると思われるでしょうか?
例えば、港区麻布の築15年の3000万円の中古マンションと、埼玉県浦和市の築浅の2000万円の中古マンションを比較してみましょう。麻布の中古マンションの方が販売価格は1000万円も高く、ローンの返済が大変そうです。築年数も浦和の築浅物件の魅力に比べると、麻布の物件は劣っているように思えます。
でも、投資リスクから考えると、麻布の物件の方が安定しています。麻布の立地であれば高めに賃料を設定できますし、空室リスクも浦和よりはるかに低いからです。先ほどの3年間売れ残っていたマンションも、3年間も人気がなかったのですから、築浅物件というだけで判断するのは早計だと思います。