「融資要件の緩和」が若者の不動産投資を後押し
前回、20代女性の不動産投資意欲についてお話ししましたが、こうした女性に限らず不動産投資家の年齢層が年々若くなってきていると感じます。早い人は20代から始めますが、今や投資家の中心年齢層は30歳前後ではないかと思います。それくらい年齢層は下がってきています。
昔の不動産投資は年収800万円くらいが要件だったので40代が中心でした。でも今は、融資要件が昔よりも緩和され、だいたい500~600万円あればローン審査は通ります。中心購買年齢層が下がったのは、こうした融資要件が下がったことも理由のひとつです。
ローンの問題から、不動産投資家は「独身者」が多い!?
もうひとつの理由は、若い人は〝投資好き〟だからです。不動産に限らず株式やFXも好きです。このためか、筆者のところで任意売却物件を仲介して不動産投資を始めるような50代、60代の人は極めて少数です。
ただし、50代、60代でも、ご本人ではなくお子さんのために投資用物件を探しに来られる方はいます。
例えば、以前、上場企業を定年退職した後も一定の収入のある60代後半の方が、息子さんのために居住用のワンルームマンションを探しに来られたことがあります。
結局、気に入った居住用のワンルームマンションが見つからず、息子さんには賃貸マンションを借りることにしました。そしてその代り息子さんのために、1800万円の投資用中古ワンルームマンションを現金で購入されたのです。
もちろんそうした目の肥えた60代後半の方が、頻繁に来られるわけではありません。むしろ、25歳~35歳くらいの方で、ある程度の収入があり、所得税の高さに、将来どう備えるべきかと真剣に考えている方が購入されることが多いのです。また、別の30代の方に、なぜ不動産投資を始めるのか伺ったことがあります。
「若いときは山っ気があるから株だFXだと大きく儲けようと考えていたが、もう疲れた! 家族もできたから、もう少し落ち着いた投資に切り換えたくなったのです」と答えておられました。
一般に不動産投資に反対するのは決まって奥さんのほうです。自宅用と投資用のふたつのローンを組むことになるので、「なぜまたローンを組むの?」となります。このため、私のところで紹介する投資用の任意売却物件は、独身者が圧倒的に多いのが特長です。
家族がいると、ダブルローンにはなかなか踏み出せないものです。