(※写真はイメージです。/PIXTA)

「12の認知症リスク因子」を取り除くための対策を行うことで、将来、認知症になる人を4割減らせる可能性があるといいます。認知症研究の第一人者・浦上克哉氏が監修した『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本』(徳間書店)より、「12のリスク因子」と「『認知症リスク因子』を科学的に減らす方法」を見ていきましょう。

まずはあなたが持つ「認知症リスク因子」をチェック

認知症を予防するには、まずは12の「認知症リスク因子」を優先して対策することが大切といえます。

 

そのためには、今の自分に当てはまっている認知症リスク因子を知って、それを取り除ける日常生活に変えていくことが必要です。加えて、現時点で自分に当てはまっていないリスク因子については、今後該当してしまうことのないよう日頃から意識していくようにしましょう。

 

今の自分にはどんな認知症のリスク因子があるのか。それを整理して認識してもらうために、図表2に認知症リスクのチェック項目を挙げてみました。生活習慣やコミュニケーション、健康、知的活動などの項目に整理していますので参考にしてみてください。

 

出所:浦上克也著『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本』(徳間書店)
[図表2]認知症リスクチェックリスト 出所:浦上克也著『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本』(徳間書店)

12の認知症リスク因子を取り除く「3つの習慣」

12の認知症リスク因子は、運動、知的活動、コミュニケーションの3つの習慣で、ほとんど取り除くことができます。

 

適切な運動を行っていれば、当然、運動不足が解消でき、肥満、高血圧、糖尿病も改善され、抑うつ状態、足腰の衰えによる頭部外傷を防げるといった具合です。

 

知的活動は、脳を刺激するとともに、知的好奇心を持ち続けることで、認知症予防の効果が期待できます。そして、コミュニケーションがうまくできれば、社会的孤立や抑うつを遠ざける、というわけです。

 

◆運動…週に2~3回、あまり息が切れないくらいの適度な運動を行うとよいとされています。ウォーキング、ジョギング、水泳などの有酸素運動と筋トレの両方を行いましょう。しりとりや計算などで頭を使いながら運動する「コグニサイズ」もおすすめです。

 

◆知的活動…日記を書く、新聞を読む、俳句や短歌をつくるなど思い立ったらすぐ始めてみましょう。パズルやゲームは頭の体操になり、楽器の演奏、歌、絵画、手芸などの趣味はもちろん、農作業や料理も、手先と頭を同時に使うことから認知症予防効果があります。

 

◆コミュニケーション…電話やオンラインでもよいので、ときどき人と話す機会を設けましょう。ボランティア活動などに参加するのも人との交流が生まれ、刺激になります。

 

 

発症原因の40%を占める12の認知症リスク因子は、以上のような運動、知的活動、コミュニケーションの3つの習慣を実践することで、ほとんどカバーすることができます。

 

3つの習慣を自分なりに工夫しながら、普段の生活に無理なく取り入れていきましょう。

 

 

浦上 克哉

日本認知症予防学会 代表理事

鳥取大学医学部 教授

本連載は浦上 克哉氏の著書『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本』(徳間書店)の一部を抜粋し、再編集したものです。

すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!

すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!

浦上 克哉 監修

徳間書店

【認知症研究 第一人者、浦上克哉氏の最新メソッド!】 「ひょっとして認知症?」…あなたや家族が不安になったら読む本。 早期発見チェックリストで今の状態とやるべきことがよくわかる! 自分自身や家族の認知症が…

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