認知症は回避できる!発症する前の「黄色信号」
認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型認知症ですが、これはある日突然起こるわけではありません。自分が気づかないうちにじわじわと迫ってくるもので、それだけに大きな不安にかられてしまうことになります。
そして認知症には段階があり、発症する前のいわば「黄色信号」に当たるのが、「軽度認知障害(MCI)」です。MCIは、本人も周りの人も記憶障害(もの忘れ)が増えてきていることに気づいてはいるものの、日常生活に支障がない状態のこと。健忘症(老化によるもの忘れ)とも違い、健康な状態から認知症に移行する途中の状態です。この段階であれば、多くの場合でまだ「認知症」とは診断されず、認知症になるのを防ぐことが期待できます。
つまり、認知症になると元には戻りませんが、黄色信号のMCIの段階であれば、まだ間に合うということ。「認知症になりかけ」の状態なら、しかるべき認知症予防を行い、積極的に脳を使うことによって、認知症に至らずに済ませることができるのです。逆に、日常生活に支障がないからといって、MCIの状態で何もせずに放っておくと、認知症になる可能性が高いといえるわけです(図表1)。
MCIの段階なら、もの忘れなどによるミスの繰り返しを自覚し、「今までの自分と違う…」と違和感を抱くことができます。それが、MCIから認知症に進んでしまうと、自分ではミスをミスだと認識できなくなるのです。
たとえMCIであることがわかっても、生活習慣の改善や脳の活性化などの予防策をとることで、認知症を回避できることをぜひ知ってください。