まだ引き返せる!「認知症になりかけの人」にみられる行動【認知症研究の第一人者が解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

認知症になると元には戻りませんが、「認知症になりかけ」の状態ならまだ間に合います。しかるべき認知症予防を行い、積極的に脳を使うことによって、認知症に至らずに済ませることも可能なのです。認知症研究の第一人者・浦上克哉氏が監修した『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本』(徳間書店)より、「認知症になりかけの状態」について見ていきましょう。

認知症は回避できる!発症する前の「黄色信号」

認知症のなかで最も多いのはアルツハイマー型認知症ですが、これはある日突然起こるわけではありません。自分が気づかないうちにじわじわと迫ってくるもので、それだけに大きな不安にかられてしまうことになります。

 

そして認知症には段階があり、発症する前のいわば「黄色信号」に当たるのが、「軽度認知障害(MCI)」です。MCIは、本人も周りの人も記憶障害(もの忘れ)が増えてきていることに気づいてはいるものの、日常生活に支障がない状態のこと。健忘症(老化によるもの忘れ)とも違い、健康な状態から認知症に移行する途中の状態です。この段階であれば、多くの場合でまだ「認知症」とは診断されず、認知症になるのを防ぐことが期待できます。

 

つまり、認知症になると元には戻りませんが、黄色信号のMCIの段階であれば、まだ間に合うということ。「認知症になりかけ」の状態なら、しかるべき認知症予防を行い、積極的に脳を使うことによって、認知症に至らずに済ませることができるのです。逆に、日常生活に支障がないからといって、MCIの状態で何もせずに放っておくと、認知症になる可能性が高いといえるわけです(図表1)。

 

(注)日本神経学会監修『認知症疾患診療ガイドライン2017』CQ4B-2, 147
[図表1]軽度認知障害(MCI)なら元の状態に戻れる可能性も! (注)日本神経学会監修『認知症疾患診療ガイドライン2017』CQ4B-2,147

 

MCIの段階なら、もの忘れなどによるミスの繰り返しを自覚し、「今までの自分と違う…」と違和感を抱くことができます。それが、MCIから認知症に進んでしまうと、自分ではミスをミスだと認識できなくなるのです。

 

たとえMCIであることがわかっても、生活習慣の改善や脳の活性化などの予防策をとることで、認知症を回避できることをぜひ知ってください。

 

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    日本認知症予防学会 代表理事
    鳥取大学医学部 教授
    日本老年精神医学会理事
    日本老年学会理事
    日本認知症予防学会専門医 

    1983年に鳥取大学医学部医学科を卒業。同大大学院の博士課程を修了し、1989年より同大の脳神経内科にて勤務。2001年4月に同大保健学科生体制御学講座環境保健学分野の教授に就任。2005年より同大の医用検査学分野病態解析学の教授を併任。2022年4月より鳥取大学医学部認知症予防学講座教授に就任。2011年に日本認知症予防学会を設立し、初代理事長に就任し現在に至る。

    著者紹介

    連載認知症研究の第一人者が教える、認知症を予防・克服する新習慣

    ※本連載は、浦上克哉氏監修の『すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!』(徳間書店)より一部を抜粋し、再編集したものです。

    すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!

    すぐに忘れてしまう自分が怖くなったら読む本 認知症を予防・克服する新習慣!

    浦上 克哉 監修

    徳間書店

    【認知症研究 第一人者、浦上克哉氏の最新メソッド!】 「ひょっとして認知症?」…あなたや家族が不安になったら読む本。 早期発見チェックリストで今の状態とやるべきことがよくわかる! 自分自身や家族の認知症が…

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