「サラリーマン大家」という言葉が広まったように、近年ではさまざまな層が不動産投資に取り組んでいます。そのようななか、富裕層であれば、できる限りリスクを抑えた「手堅い投資手法」が実践可能だと、株式会社有栖川アセットコンサルティングの代表取締役、鈴木子音氏はいいます。今回、資産6億円の富裕層による投資シミュレーションをもとに、手元の現金の流れを確認しながらわかりやすく解説します。

多種類の不動産所有でリスク分散

まったく性質の異なる立地や条件の不動産

富裕層が主に所有すべきは一等地の築浅RC造物件ですが、鉄壁の物件を中心としたポートフォリオを構築したうえであれば、地方や郊外の物件を視野に入れてもいいと思います。

 

いくら安定だからといって王道の商品をもっているだけでは面白味に欠けますし、自分なりの投資理論を実践したくなる気持ちも湧き上がってくると思います。どのような手法であれ、確かな知識と認識のうえでなされる投資判断であれば、それを否定するわけではありません。

 

また長く投資をしていると、新型コロナウイルス感染症の流行初期のように都心の店舗を中心に需要が急激に冷え込み、家賃の減免を要求されるといった、極めて特殊な社会情勢も起こり得ます。そうした際に、まったく性質の異なった立地や条件の不動産を保有していれば、やはりリスク分散効果を発揮できるからです。

 

異なる属性の用途をもつ不動産

同様の意味合いで、不動産の用途も同じ属性に集中させないことは大事です。いくら投資効率とバランスが良いとはいえ単身向けマンションだけに偏るのではなく、ファミリー向けマンションや事務所・店舗物件などにも分散投資を行うことで、リスクを軽減することができます。

 

融資と耐用年数の問題でRC造を勧めましたが、キャッシュフローが十分に確保できるようになっていれば木造を組み込んでも問題ありません。

 

金融商品の投資において分散投資は典型的な底堅い投資法といわれますが、不動産投資においても同様です。

 

投資した不動産から得られた収益を再投資に回す際は、どうしても成功体験がありノウハウを蓄積した同一手法の物件から探したくなりますが、一定の割合は戦略的に別種の物件を購入してリスクを分散すべきです。

 

 

鈴木 子音

株式会社有栖川アセットコンサルティング

代表取締役
 

 

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「儲かるなら自分がやれば?」と投資セミナーで質問すると

※本連載は、鈴木子音氏の著書『不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略

不動産投資で組み立てる 富裕層のための資産防衛戦略

鈴木 子音

幻冬舎メディアコンサルティング

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