多種類の不動産所有でリスク分散
まったく性質の異なる立地や条件の不動産
富裕層が主に所有すべきは一等地の築浅RC造物件ですが、鉄壁の物件を中心としたポートフォリオを構築したうえであれば、地方や郊外の物件を視野に入れてもいいと思います。
いくら安定だからといって王道の商品をもっているだけでは面白味に欠けますし、自分なりの投資理論を実践したくなる気持ちも湧き上がってくると思います。どのような手法であれ、確かな知識と認識のうえでなされる投資判断であれば、それを否定するわけではありません。
また長く投資をしていると、新型コロナウイルス感染症の流行初期のように都心の店舗を中心に需要が急激に冷え込み、家賃の減免を要求されるといった、極めて特殊な社会情勢も起こり得ます。そうした際に、まったく性質の異なった立地や条件の不動産を保有していれば、やはりリスク分散効果を発揮できるからです。
異なる属性の用途をもつ不動産
同様の意味合いで、不動産の用途も同じ属性に集中させないことは大事です。いくら投資効率とバランスが良いとはいえ単身向けマンションだけに偏るのではなく、ファミリー向けマンションや事務所・店舗物件などにも分散投資を行うことで、リスクを軽減することができます。
融資と耐用年数の問題でRC造を勧めましたが、キャッシュフローが十分に確保できるようになっていれば木造を組み込んでも問題ありません。
金融商品の投資において分散投資は典型的な底堅い投資法といわれますが、不動産投資においても同様です。
投資した不動産から得られた収益を再投資に回す際は、どうしても成功体験がありノウハウを蓄積した同一手法の物件から探したくなりますが、一定の割合は戦略的に別種の物件を購入してリスクを分散すべきです。
鈴木 子音
株式会社有栖川アセットコンサルティング
代表取締役
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