(※写真はイメージです/PIXTA)

地方には、求人票にも載っていない情報がたくさん眠っています。地方企業の多くは明確な経営課題を抱えながらも、その解決策を採用枠や求人票にまで落とし込めていないところがほとんどです。キャリアコンサルタントの江口勝彦氏が解説します。

地元エージェントだからできる裏ワザもある

■自分が転職したい会社を口説く手もある

 

ちなみに、裏技的な転職活動のやり方として、最初からターゲットの会社を狙い撃ちするパターンもあります。「この会社で働きたい!」という具体的な希望があるなら、転職エージェントに相談して、先方の人事担当者との橋渡しをしてもらえないか頼んでみるのも手です。ただ、人気の会社は大手転職サイトにも求人票を出していますが、常に採用があるわけではありません。

 

採用がないけれども働きたいという相談を受けた場合、大手転職エージェントではなかなか現地に足を運んで人事担当者と話をするというのは、コスト的な問題もあって現実には難しいです。

 

この点でいうと、地元にあるエージェントは同じ県内なのでフットワークも軽く、日頃から人材を紹介している間柄で話もしやすくなります。実際に、ある企業に「こんないい人材が今度帰って来ます」と口説いて、採用を実現させた事例もあります。

 

あくまでタイミングや人材がもつキャリアとのマッチングによりますが、こういう裏技も地元エージェントならまったく不可能というわけではありません。

 

■転職後の年収の考え方は「地方水準」で考えるべき

 

転職後の年収の考え方も、重要なポイントの一つです。

 

東京で夫だけの稼ぎで年収1000万円をもらっている家庭は、手取りがだいたい720万円になります。23区で720万円の暮らしというと、平均よりは良いですが、そこまで贅沢できるほどではありません。周りの人たちのお金の使い方や都会ならではの価値観につられてしまうので、出費も多くなりがちです。

 

これが地方に行って720万円となると、かなり余裕のある暮らしができます。子どもは公立なので学費もそんなに掛かりませんし、同居や近所で両親がいれば育児や家事のヘルプラインも付いてきます。30代でも庭付きの一戸建てが普通に買えます。

 

経済的な余裕というのは精神的な余裕にもつながりますから、結果としてワークライフバランスが良くなります。

 

地方転職についてよく「ワークライフバランスがいい」といわれるのは、私生活を充実させるために転職するという意味ではなく、転職した結果、お金の余裕やヘルプラインができて私生活が豊かになるという意味なのです。鶏が先か卵が先かの話に見えますが、ライフが先に来ると転職(ワーク)はうまくいかないことが多いので、大違いです。そこの部分の優先順位だけは間違わないでほしいと思います。

 

江口 勝彦
株式会社エンリージョン 代表取締役
キャリアコンサルタント

 

 

本連載は江口勝彦氏の著書『幸せのUターン転職』(幻冬舎メディアコンサルティング)から一部を抜粋し、再編集したものです。

幸せのUターン転職

幸せのUターン転職

江口 勝彦

幻冬舎メディアコンサルティング

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