「こんなの、聞いてない!」亡父の相続を巡り〈長女 vs. 孫養子〉大バトルの顛末【弁護士が解説】 (画像はイメージです/PIXTA)

ある資産家男性は、妻に先立たれたものの、長男夫婦と長女夫婦、そして2人の孫に囲まれ幸せに過ごしていました。ところが、長男夫婦が事故で他界。ひとり残された孫を不憫に思った男性は、この子を養子縁組して育てて嫁がせたのち、亡くなります。しかし、男性の相続を巡って養子となった孫と長女でバトル勃発し…。高島総合法律事務所の代表弁護士、高島秀行氏が実例をもとに解説します。

妻に先立たれた資産家男性、長男夫婦まで亡くなり…

太一さんは、貸しマンション一棟や自宅、預貯金や株式など金融資産を持っている資産家です。

 

妻の陽子さんは病気のため先に亡くなってしまいましたが、太一さんには、長男の太郎さんと長女の花子さんの2人の子どもがいます。

 

太郎さんには、妻の月子さん、子どもの星子ちゃんがいます。そして花子さんには、夫の実さん、子どもの蓮君がいます。

 

しかし、太一さん一家に不幸が襲います。長男の太郎さんとその妻の月子さんが、交通事故で亡くなってしまったのです。

 

太一さんは、ひとり残された不憫な孫の星子ちゃんに「これからは自分が親代わりとなる」といって、星子ちゃんと養子縁組をしました。

 

星子ちゃんは、太一さんの愛情を受けて無事成人し、その後、光さんと結婚し、子どもの光太ちゃんも生まれました。

 

太一さんは、星子ちゃんの結婚と子どもの誕生に安心したのか、程なく、老衰で亡くなりました。

 

太一さんは妻に先立たれ、2人の子どものうち長男の太郎さんと、その妻・月子さんも、娘の星子さんを遺して先に亡くなってしまった。</br>太一さんは両親のいなくなった星子さんを養子縁組していた。
親族関係図 太一さんは妻に先立たれ、2人の子どものうち長男の太郎さんと、その妻・月子さんも、娘の星子さんを遺して先に亡くなってしまった。太一さんは両親のいなくなった星子さんを養子縁組していた。

「おじいちゃんの財産は、私が2/3相続できる!」

太一さんが亡くなった時点の遺産は、貸しマンション一棟(1億円相当)、自宅(1億円相当)、預貯金や株式など金融資産(1億円相当)の合計3億円でした。

 

花子さんは、相続人は、星子ちゃんと花子さんの2人なので、太一さんの遺産を2分の1ずつ分けると思っていました。

 

ところが、星子ちゃんは、このように主張しました。

 

「私は、太一おじいちゃんと養子縁組をしているので、おじいちゃんの子どもとしても相続人になるし、おじいちゃんの子どもであるお父さん(太郎さん)がすでに亡くなっているから、その代襲相続人としても相続人になるの」

 

つまり、星子ちゃんは、相続人は3人と考えて、そのうち2人の相続人を兼ねているので、相続分は3分の2となるというのです。

 

花子さんは納得できず、2人の間ですさまじいバトルが勃発しました。

 

花子さんと星子ちゃんの言い分はどちらが正しいでしょうか。

 

①相続人は、花子さんと星子ちゃんの2人だから相続分は、花子さんも星子ちゃんも、2分の1ずつとなる。

 

②星子ちゃんは、太郎さんの代襲相続人の地位と、養子として相続人の地位と両方持つこととなることから、星子ちゃんの相続分は3分の2となる。

 

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高島総合法律事務所
代表弁護士 

1965年生まれ。慶応義塾大学法学部法律学科卒業、1994年弁護士登録。第一東京弁護士会所属。現在、高島総合法律事務所、代表弁護士。

不動産会社、個人の資産家等の顧問を務めており、『相続・遺産分割する前に読む本―分けた後では遅すぎる!』、『訴えられたらどうする!!』、『企業のための民暴撃退マニュアル』(以上、税務経理協会)などの著作がある。

「遺産相続・遺留分の解決マニュアル」をホームページに掲載している。

著者紹介

連載相続専門弁護士が解説!よくある相続トラブル実例集

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