(※写真はイメージです/PIXTA)

それなりの資産を保有する独身サラリーマンは、自分が亡くなった後、財産がどうなるのか気にかけています。両親もきょうだいもなく、いわゆる「法定相続人」がだれもいない状態です。密かに考えていることがありますが、実現に向けた具体的な方法はどのようなものになるのでしょうか。相続問題の解決に定評がある、弁護士法人菰田総合法律事務所の國丸知宏弁護士が事例をもとに解説します。

独身サラリーマン、自分の死後の資産の行方を懸念

今回のご相談者は、50代独身のAさんです。Aさんはひとりっ子で、ご両親はすでに他界されています。Aさんには婚姻歴もなく、子どももいません。

 

「健康上の不安はないのですが、そろそろ先のことも考えておこうと思いまして…。独り身ですので、将来私が死んだら財産はどうなるのだろうかと思っています。財産は、主に預貯金と自宅マンションです。それなりの金額になるかと思いますので、だれかに有益に使ってもらえればいいのですが…」

もしいま、なにも準備せずに亡くなったらどうなるか?

Aさんには配偶者、子、親、きょうだいがいないため「法定相続人なし」ということになります。法定相続人がいないAさんが死亡すると、以下の通り手続きが行われます。

 

①相続財産法人の成立

→ 相続財産自体が「相続財産法人」となります。

 

②家庭裁判所による相続財産管理人の選任・公告

→ 利害関係人または検察官の請求によって、「相続財産管理人」が選任され、その旨公告されます。

 

③相続債権者及び受遺者に対する公告

→ 財産管理人は、②の公告から2ヵ月が経過してから、一切の相続債権者及び受遺者に対して、期間内に申出をするよう公告をします。債権者がいる場合には、弁済をします。

 

④家庭裁判所による相続人捜索の公告

→ 家庭裁判所は、③の公告から2ヵ月が経過してから、財産管理人の申立てにより、相続人を探すため、6ヵ月以上の期間を定めて公告をします。

 

⑤相続人不存在の確定

→ ④の公告期間が満了すると、相続人の不存在が確定します。

 

⑥特別縁故者への相続財産の分与

→ ④の公告期間満了後3ヵ月以内に、特別縁故者(被相続人と生計を同じくしていた人、被相続人の療養看護に務めた人など)からの請求により、残余財産の全部または一部を与えることができます。

 

⑦残余財産の国庫への帰属

→ 特別縁故者からの請求がない、もしくは特別縁故者に財産を分与してもなお残余がある場合には、その財産は国庫に帰属することになります。

 

ただし、以上はあくまでも相続財産管理人の選任申立てがなされた場合です。

 

Aさんの場合は、自宅がマンションなので、Aさんの死後、管理費が滞納された結果、マンション管理組合が「利害関係人」として相続財産管理人選任申立てを行う可能性もあるでしょう。しかし、もし誰も申立てをしなければ、Aさんの財産はそのまま放置されてしまいます。

 

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