(画像はイメージです/PIXTA)

「『騰落率』ランキング」「『パッシブ運用』の投資家」「『EPS』の伸び率が高い」──資産運用やマーケットの世界には、どうしても独特な言い回しや独自の用語が並ぶ。こうした難解な投資用語が、投資をより勉強したいと思う人の気持ちに歯止めをかけている感は否めない。本稿では「じつはよくわかっていない」人が多い投資ワードを、「覚え方のコツ」も含め分かりやすく解説する。

「パッと見難解、だが分かれば簡単」な用語たち

じつは意味をよく分かっていないで、そのままにしている投資用語はないだろうか。今回は、そんな意外と知らないビジネスパーソンも多いと思われる投資用語について、例文付きで分かりやすく解説する。
 

まずは以下の記事を読んでほしい。どのくらい理解できるだろうか?


全部理解できる? よくある株式記事

 

〇月〇日の東京株式市場で日経平均株価は反落した。3日反発下値が堅い展開が続いた。現在、前日までの6営業日で上昇した後、利益確定や戻り待ちの売りが出ている。

 

〇〇銀行が10年ぶりの利上げをしたことで、金融引き締め強化に対する危機感が高まっている。


先日の騰落率ランキングに目を通すと、時価総額の大きい銘柄は値上がり上位に並び、堅調傾向にある。小型株は県外で軟調

 

実際の新聞記事、特に一面では、ここまでコテコテの専門用語ばかりが並んだ記事は見られない。しかし、紙面中の方のマーケット関連の記事には、どうしても相場独特の用語が並ぶ。以下、基本的な用語をまとめた。

 

 

①今日の株価の動きが前日までの流れの中でどう位置づけられるかを表した用語

 

例)

  •  「3日続けて上がる=3日続伸」
  • 「前々日、前日の上げから転じて下げ=3日ぶりに反落」

 

②同様に株価のニュアンスを表現する用語

 

  • 上値が重い=上がりにくい
  • 下値が堅い=下がりにくい
  • 調整する=下落している

 

「調整する」は、将来上がるための準備運動をしている、というニュアンスだ(本当かどうかはさておき)。

 

③市場を擬人化した用語

 

④一度分かってしまえば簡単

 

  • 騰落率:上昇率と下落率の両方を指した言葉
  • 銘柄:一般的なブランドの意味とは少し違う。「銘柄=証券」のことを指す。

 

分かりそうで分からない、投資信託用語

次に、投信の月次レポートの中によく出てくる言葉をピックアップした。分かりそうで分からない、微妙な言葉が並んでいると感じる人は多いのではないだろうか。

 

 

 

分かりづらい・意味を間違えてとらえやすい用語を、分かりやすくなるよう上記にまとめた。


たとえば一番上の「追加型投信」については、今はもはや「投信」という言葉だけ覚えておけば十分で、いつでも売ったり買ったりできると理解しておけば良い。

 

ベンチマークに関して少し補足すると、これはそのファンドの運用が良いのか悪いのかを比べるときの目安になるインデックス指数を指す。

 

そして日本語であるにも関わらず妙に分かりにくいのが、「信託報酬」という言葉だ。買うときにかかるのが「販売手数料」だが、預けていると取られるのが「信託報酬」である。こう聞くと、もらえるのか払うのか分かりにくく、混乱しそうだ。

IR資料はアルファベットの沼

IR資料は、アルファベットの沼と化している。すでに用語を「分かる」体で書かれた資料も少なくない。特によく使われる単語をまとめた。

 

 

また、下記の単語もよく出てくる言葉であり重要ではあるが、応用編である。

 

応用編 「慣れたら覚える」くらいでOK

 

  • WACC:加重平均資本コスト(Weighted Average Cost of Capital)
  • EBITDA:Earnings Before Interest Taxes,Depreciation,and Amortization
  • EV/EBITDA:Enterprise Value≒EBITDA
  • ROIC:投下資本利益率(Return on Invested Capital)

 

投資用語は、慣習的に使っているだけで、一度聞いたら分かるものも多い。基本的なところを抑えられれば、後は習うより慣れていった方が効率が良い場合も多く、焦ってすべてを網羅しよう、と思いすぎないことが重要だ。

 

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