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子どもの世話をしすぎるのが現代の親
今の子どもたちは、「すぐできそうにないこと」を「無理」と言ってしまっているのです。私は“自分の使っている言葉”はとても重要だと思っています。「無理」と言った瞬間に、「できなくてもいい」という思考回路が働くのではないかと考えるからです。
時間をかけてやればできることなのに、「無理」という言葉で、できないことにしてしまうなんて、とてももったいないと思いませんか。
時間をかけてやろうとしないのは、それこそ耐性がない、我慢することができない、あるいは我慢ということを知らないからでしょう。
簡単にあきらめてしまうというのは、「やり切ることができない」ということです。「粘り強さ」が欠落してしまっているのです。
粘り強く努力していれば、よほどの集団でない限り、その中で上位5%に入ることも夢ではありません。どういう分野でも、「無理」と思わずに継続して一生懸命やったら、そのくらいまで行ける……そういう感覚が重要だと思っています。
このように子どもがへこたれないように働きかける、いわば「環境づくり」が、親が果たすべき大事な役割の一つだと思います。
■追い込む環境をつくる
もう一つは、「追い込む環境をつくる」「子どもが自分でやらざるを得ない環境をつくる」ということです。これは、特に恵まれた環境にいる今の子どもたちには、主体性を身につけさせるという意味でも必要だと思います。
とはいえ、私自身、親という立場に立つと、子どもを追い込む環境をつくるのは難しいと感じます。
子どもが脱ぎっぱなしにしていた洋服を親が片づけるなど、追い込むどころか、世話をしすぎるのが、わが家を含め、現代の親の特徴ではないでしょうか。
やはり親子で暮らしていると、お互い甘えが続くので、どこかのタイミングで子どもを外に出してみるのは一案かもしれません。私の知人に、お子さんを国内留学させた人がいますが、そのお子さんは、私から見れば、見事に自立していました。
具体的には、家庭内の仕事をさせたり、家事を一緒にやったりするのもいいかもしれません。昔は、家の手伝いを子どもがする、兄弟の面倒を見るといったことは、当たり前のことでした。家の中での子どもの役割というのは、「お風呂の掃除は□□ね」「玄関は△△にお願いね」というように、決まっていたと思います。
ところがいつしか、親の側が「子どもは勉強だけしていればよい」「家の手伝いも別にする必要はない」という感覚になってしまったことから、歪んだ時代になってしまったように思います。
現代、特に東京など都市部では、何もかも揃っていて、必要なもの、ほしいと思ったものは、ほぼ例外なく与えられる、そんなある意味恵まれた環境が、子どもの自立を妨げているのではないでしょうか。
今、習い事をさせる親は多いと思いますが、むしろ、生活の中でできること……自分の下着は入浴時に必ず自分で洗うとか、お米を研がせるとか、そういったことを習慣づけて、自分のできることを一つずつ増やしていくことが必要なことといえそうです。
そして、そうした環境をつくるのが、今の親の務めなのかもしれません。子ども自身が、あまり考えなくてもなんとかなってしまう。そんな環境を変えてあげられたらいいのではと思います。
それはもしかしたら、究極的には「何も与えない」ことに行き着くのかもしれませんが。