(画像はイメージです/PIXTA)

香港在住・国際金融ストラテジストの長谷川建一氏(Wells Global Asset Management Limited, CEO)が「香港・中国市場の今」を解説していきます。

上海ロックダウンを経験するも貿易総額は前年比アップ

中国税関総署は13日、2022年1~6月の貿易総額が人民元ベースで前年同期比9.4%増の19兆8千億元だったと発表した。輸出が13.2%増、輸入は4.8%増、貿易黒字額は2兆4800億元だった。

 

中国では3月下旬から上海が都市封鎖された。封鎖は5月まで続き貿易業務が滞ったもの、6月から順次解除され、伸び率は1~5月から大幅に拡大した。中国税関の李奎文報道官によると、「5月と6月は、ロックダウンが緩和されたほか、景気刺激策の効果もあって、対外国貿易は大幅に回復」したそうである。

 

特に2022年上半期の原油、天然ガス、石炭などエネルギー製品の輸入総額は1.48兆元と、前年比353.1%もの大幅増加となり、輸入総額の17.1%を占めた。

今年香港最大となる新規IPOが、深圳取引所と重複上場

中国のリチウムメーカーの天斉リチウム(9696)は13日、香港取引所に上場し、取引初日の株価は公募価格の82香港ドルで引けた。株価は一時11%の大幅下落となったもの、大引けにかけて大きく戻した。

 

同社は今年の香港市場で最大規模となる約135億香港ドル(約17億米ドル)を調達し、深圳取引所と重複上場を達成した。

 

新規上場の株価の値動きは大きく同日に上場した3社、名創優品(9896)、諾亜控股(6686)、湖州ガス(6661)の初日の取引はいずれも大幅安で終えた。今月には世界最大の旅行業者である中国旅遊集団が香港で大規模な株式公開をする予定であり、投資家の見方は慎重であることを示唆している。

 

同社は上海と重複上場となり、資金規模は20~30億米ドルに上るといわれている。香港の上場株式件数は上半期以降、回復傾向にあり今後も増加基調にある。ただ大型の上場案件を控え資金拠出のための売りも懸念されるなど、新規上場銘柄の価格変動の動きが注目される。

 

 

 

長谷川 建一

Wells Global Asset Management Limited, CEO/国際金融ストラテジスト<在香港>

 

 

 

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