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遺産分割協議で遺産の分け方を決めて遺産分割協議書も作成したのに、定められた事項を守らない相続人がいてトラブルになるケースがあります。そのような相続人がいる場合の対処法についてみていきます。

遺産分割協議書の事項を守らない…トラブル防止策は?

遺産分割協議書の事項を守らないトラブルが起こると、調停や訴訟で解決を図ることになり、解決するまでに時間がかかります。遺産分割協議書の事項を守らないトラブルを防ぐための対策を紹介していきます。一つは生前に遺言書を書く場合の対策で、もう一つは遺産分割協議書を作成するときの対策です。

 

遺言書を書いて遺言執行者を定めておく

まず紹介するのは、生前に遺言書を書いて遺言執行者を定めておくという対策です。遺言書を書いておくことで、遺産分割協議をしないでよい状態にしておきます。

 

しかし、相続人が遺言で指定された事項を守らないことも考えられるため、遺言に従って財産の名義変更などの手続きを行う遺言執行者を指定しておきます。

 

トラブルを回避するには、利害関係のない第三者の弁護士に依頼して遺言執行者になってもらうことをおすすめします。遺言執行者は相続人の中から指定することもできますが、他の相続人が遺言執行者に協力しないことでトラブルになる恐れがあります。

 

遺産分割協議書を公正証書で作成する

遺産分割協議をするときの対策としては、遺産分割協議書を公正証書で作成することがあげられます。遺産分割協議書を公正証書で作成して、強制執行があればそれに従うことを記載しておくと、遺産分割協議書を根拠に強制執行を申し立てることができます。

 

強制執行は、財産を差し押さえるなどして裁判所が強制的に債権を回収する手続きです。申し立てには裁判所の判決や調停調書、審判調書などが必要ですが、公正証書として作成された遺産分割協議書でも申し立てができます。

 

公正証書ではない遺産分割協議書しかない場合は、遺産分割後の紛争調整の調停を申し立てるか訴訟を起こすなどして、調書や判決を取る必要があります。

 

 

ここまでお伝えしたように、一部の相続人が遺産分割協議書の事項を守らない場合の対処法は限られています。結果として司法の場に持ち込むことになり、解決するまでに費用と時間がかかってしまいます。トラブルに対応している間の精神的な負担も無視できるものではありません。相続問題を専門にしている弁護士に相談して早めに解決を図るようにしましょう。

 

 

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本連載は、税理士法人チェスターが運営する「税理士が教える相続税の知識」内の記事を転載・再編集したものです。

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