豪ドル、ユーロは軒並み売られたが…いま米ドルが「強すぎる」ワケ【国際金融アナリストが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

先週の米ドル/円は5週間ぶりに米ドル高値更新にいたらなかったものの、豪ドルやユーロに対して、米ドルは高値を大きく更新する展開となりました。この動きは今後も続くのか、また米ドル/円への影響は……マネックス証券・チーフFXコンサルタントの吉田恒氏が分析・考察したうえで、7/12~7/18の米ドル/円レンジを予想します。

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      「7/12~7/18のFX投資戦略」のポイント

      <ポイント>

      ・先週は米ドル高の主役が対円から対ユーロなどに移行、ユーロ/米ドルは一気に1ユーロ=1米ドル「パリティ」目前に迫るユーロ安・米ドル高となった。

      ・インフレと景気を両にらみしながら、米利上げ見通しを手掛かりにした展開が続きそう。今週の米ドル/円予想レンジは135~137円中心か。

      米ドル高は変わらずも…「対円」から「対円以外」へ

      先週の米ドル/円は135円台中心に方向感の乏しい展開となりました。週前半には、米金利低下に追随するように米ドル下落リスクを試す場面もありましたが、週末にかけて米金利も上昇再燃となったことから、とくに注目された8日の米雇用統計発表が全体的に予想より良かったことなどをきっかけに、一時は136円半ばまで米ドル上昇となりました。

       

      ただ、前週まで4週連続となっていた米ドル高値の更新は、先週は途切れるところとなりました(図表1参照)。この結果、1週間の最大値幅は久しぶりに2円未満にとどまるといった具合に、このところの米ドル/円にしては比較的小動きと言える結果となりました。

       

      出所:マネックス証券「分析チャート」
      [図表1]過去半年の米ドル/円の週足チャート(2022年1月~) 出所:マネックス証券「分析チャート」

       

      このように比較的小動きとなった先週の米ドル/円でしたが、前半と後半では方向が異なるところとなったので、それぞれについて確認してみたいと思います。

       

      まず前半は、このところ目立っていた米金利低下を追随するように米ドル下落リスクを試す展開となりました(図表2参照)。ただ結果的にはそれも135円を小幅に下回る程度にとどまったのですが、これには対円以外での米ドル高の影響が大きかったのではないでしょうか。

       

      出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
      [図表2]米ドル/円と米2年債利回り(2022年3月~) 出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

       

      すでに述べたように、先週の米ドル/円は5週間ぶりに米ドル高値更新にいたらなかったのですが、一方でユーロや豪ドルに対して米ドルは高値を大きく更新する展開となりました(図表3、4参照)。とくに、ユーロ/米ドルは一時1.01米ドルも割れるなど、1ユーロ=1米ドルといった「パリティ(等価)」に限りなく近付くユーロ安・米ドル高となりました。

       

      出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成
      [図表3]ユーロ/米ドルと独米10年債利回り差(2022年1月~) 出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

       

      出所
      [図表4]豪ドル/米ドルと独米10年債利回り差(2022年1月~)出所:リフィニティブ社データをもとにマネックス証券が作成

       

      このように、米ドル高の主役が、それまでの対円からユーロや豪ドルなど円以外の通貨に対するところに移り、それは対円での米ドル下落リスクを限定的にとどめる影響をもたらした可能性はあるでしょう。

       

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        マネックス証券  チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティ FX学長

        大手の投資情報ベンダーの編集長、社長などを歴任し、国際金融に関する情報発信の分野で活躍。 機関投資家に対するアナリストレポートを通じた情報発信はもとより、近年は一般投資家および金融機関行員向けに、金融リテラシーの向上を図るべく、「解りやすく役に立つ」事をコンセプトに精力的に講演、教育活動を行なっている。 2011年からマネースクエアが主催する投資教育プロジェクト「マネースクエア アカデミア」の学長を務めた。 書籍執筆、テレビ出演、講演等の実績も多数。

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        著者紹介

        連載国際金融アナリスト・吉田恒氏が解説!今週のFX投資戦略

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