「不都合な遺品」の処分は、専門の整理業者に依頼
高価な腕時計やブランド品などは相続財産に勘定されますが、プライベートな品は家族が処分に困ることもあります。また、中には家族に存在を知られたくないものもあるでしょう。不適切な関係があった女性からのプレゼントや、日記、手紙類など、どんなそれなりに、死後、表に出てきてほしくないものを抱えているものです。
そういったものの処分は領収書などと同じく、事前に死後事務委任契約に含めておくと
よいでしょう。具体的には遺品整理を専門とする業者に処分させるよう指示しておけば、家族から不要な詮索を受けずに済みます。
隠れてマンションを借りていたり所有していたりする場合には、そこで過ごすための生活用品などもありますから、あらかじめ処分方法を指定しておくと安心です。
専門家と死後事務委任契約を結んでいない場合には、生前に契約しておいた業者に連絡をするよう友人に頼むのもよいでしょう。ただし、友人との間に守秘義務契約はありませんから、信頼できる人物を選ぶことが大切です。
やはり、お亡くなりになったという情報が入りやすい税理士に頼んでおくのが便利でしょう。
完全消去が難しい「デジタルデータ」の危険性とは?
隠しごとのある社長にとって、近年大きな問題となっているのが、デジタル情報の処理です。パソコンやスマートフォンなどの携帯端末は今や暮らしに欠かせないものとなっています。非常に便利で使い勝手のいいツールなので、私的な写真やデータの管理、通信のために使っている人はたくさんいます。
また、ブログを書いたりインターネット通販を利用したり、動画配信サービスを利用したりと、デジタルアイテムの利用範囲は中高年でも大きく広がっています。
もし、それが人目に触れたらどうでしょう? 誰かに送った私的なメールや、インターネット通販の購入履歴、その他サービスの利用履歴など、家族には絶対に知られたくないものがパソコンやスマートフォンに入っている人は多いと思われます。さらにデジタルデータの中には、隠しごとがばれるきっかけになりそうなものも数多くあります。
そういったデータはさまざまな形で残るため、領収書のようにシュレッダーにかければおしまいというわけにはいきません。たとえばメールで情報をやりとりすれば、パソコンにデータが残ります。フリーメールを使えばサービス提供元のサーバーにデータが残りますから、アクセスするためのメールアドレスとパスワードさえわかれば、誰でもどこからでも見ることができます。
生前ならまだしも、死後にそういったデータを消すことはかなり困難です。しかもこういったデータは劣化しませんし、コピーをとるのも簡単です。
また最近では掲示板や動画サイトなど、世間一般が閲覧できるサイトに載せるのも容易です。悪意ある人の手に渡ってしまうと、際限なくコピーされ多くの人の目にさらされてしまう危険性があるのです。