(※写真はイメージです/PIXTA)

仕事の進め方を転職先の会社の文化に合わせ、相手に配慮するようになってからは何事も上手く回るようになってきました。すると将来に向けて何をするべきか考える余裕も出てきました。セカンドキャリアコンサルタントの高橋伸典氏が著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)で解説します。

将来に向けて副業にチャレンジ

▶転職先の仕事に余裕ができてきて…

仕事の進め方を今の会社の文化に合わせ、相手に配慮するようになってからは何事も上手く回るようになってきました。

 

すると将来に向けて何をするべきか考える余裕も出てきました。今の仕事以外に本来自分がやりたいことについての準備を始めようと思えてきたのです。

 

そして、いつかは自宅かどこかで、カフェカーをオープンして、それまでに知り合った友人やお客さんが好きな時に集まって、互いの近況を話しながらエネルギーをチャージするような場所作りができれば、と思うようになりました。

 

私が最終目標をカフェカーでの居場所作りにしようと思ったのは、私が40歳代半ばの頃の体験があるからです。かつて私は、友人が始めたカフェカーで手伝いをさせてもらい、自宅前でお店を出したり、イベントなどに参加したりしていました。

 

ハワイアンコーヒーと豊富な種類のドリンク、サンドウィッチ、アイスクリーム、かき氷、パンケーキ、BBQプレートからスパムおにぎりまで本当にたくさんの種類があって、注文を受けてもすぐに間違えるなど、不器用で不注意な私は何度も怒られながら必死でした。

 

しかしそういった体験が自分にとって、とても大切でかつ楽しい時間だったのだと思います。カフェカーは、時間ができたらまたやってもいいし、自分でカフェを開いてもいいし、これもまた定年後のオプションの一つとなるでしょう、と友人は言ってくれました。

 

友人は20年前の段階で「あなたわかってる? 自分の定年見えてる? そんなに時間がないよ。いい勉強になるから手伝ってみる?」とアドバイスしてくれましたが、凄い先見の明だったと思います。今では本当に、キッチンカーがあちこちで当たり前に営業している時代です。

 

▶副業に向けての準備を開始

さて話を戻しまして、定年後に57歳に再就職した会社で60歳になり、定年を迎え、正社員から嘱託社員へ変更になりました。嘱託社員になると、副業が解禁になります。

 

いつもお世話になっている友人から、「将来カフェをするなら、手始めとして自分でパンを焼けるようにしておいたら」というアドバイスをもらい、近くのパン屋さんで早朝アルバイトを始めました。

 

会社の勤務に支障をきたさないように、早朝5時から7時半までアルバイトをして、それから電車に乗って2時間かけて通勤し、10時の勤務開始に間に合うという流れで、両立することができました。

 

次ページ人から学ぶためには「謙虚」な姿勢

※本連載は、髙橋伸典氏の著書『退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書』(日本能率協会マネジメントセンター)から一部を抜粋し、再編集したものです。

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

退職後の不安を取り除く 定年1年目の教科書

髙橋 伸典

日本能率協会マネジメントセンター

この一冊で定年後の不安を払拭! 定年後の3大リスク(お金/仕事、孤独、健康)に対し、具体的に乗り越える方法を提示。定年後、どのようにすればいいか不安を抱えている人に贈る指南書です。

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