※画像はイメージです/PIXTA

相続が発生して、その配偶者や子どもが相続人に……よくある相続のケースですが、故人に子どもがいない場合、相続税が割高になるケースがあります。相続・事業承継専門の税理士法人ブライト相続の松永卓朗税理士が解説します。

「一親等の血族」の規定を利用した対策

さて、前の項目で相続税額の加算の話をしましたが、その中に「一親等の血族」という言葉がありました。これは被相続人から見て一世代以内の方を指しています。

 

兄弟姉妹は両親を経由して繋がることになりますので二親等、甥は三親等に該当します。子どもや両親がこの一親等の血族に該当するのはなんとなくイメージしやすいと思います。

 

ちなみに実の親や実子は「自然血族」という分類により血族とされます。それでは甥や姪を養子にした場合はどうなるでしょうか?

 

血族には自然血族以外に「法定血族」というものがあります。これは養子縁組などにより法律上の血族となったものを指し、法定血族となった方は自然血族と同じ法律上の権利を持ちます。

 

もし自身に配偶者や子ども(又はその代襲相続人)がおらず、両親も他界している場合で特定の甥や姪に財産を遺したい、と考えたときは、事前にその方と養子縁組しておくことでその甥や姪は実子扱いとなり、2割加算も適用されず無駄な税金を支払う必要がなくなります(孫養子に関する規定は本稿の趣旨とは異なるため説明を省略します)。

 

もちろん通常養子縁組をしたとしても元の親との血縁関係は自然血族によるものですので、消えることはありません。甥や姪は自分の実の両親の相続の際には相続人のとしての立場を引き続き有しています。

 

なお仮に、第三順位の相続が発生し、相続人となる方が先に死亡していた場合には、甥や姪が代襲相続人となります。その甥や姪を養子にしているかいないかによって、三親等の自然血族に該当するか、一親等の法定血族に該当するかが変わるため、納付する税額は大きく変わる可能性があるのです。

 

ただし、兄弟姉妹もしくはその代襲相続人が多い場合には、養子縁組をしないほうが基礎控除の計算上有利になることがあります。その場合には養子縁組を行うことにより法定相続人の数が減ってしまい、かえって相続税が発生してしまうケースもありますので、注意しましょう(このような場合には遺言で対応することによって特定の甥や姪に財産を残すことが可能です)。

 

筆者の過去の経験上、まだ少数派のケースではありますが、昨今の状況から今後このような相続は増えていくことが予想されます。事前の対策を行うか、何もしないかによって相続税の負担は大きく変わる可能性がありますので、将来の相続に備えて一度現状把握をしておくことが大切です。

 

 

税理士法人ブライト相続

松永 卓朗

 

 

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