(※写真はイメージです/PIXTA)

心の成長に年齢は関係ありません。乳幼児の時期を過ぎても、学童期、思春期、青年期、中年期、老年期とライフサイクルのなかで起こるさまざまなできごとを乗り越えて心は成長していきます。精神分析家のエリクソンは、一生を8段階に分けて心の発達を考えました。本稿では乳幼児以降に訪れる大きな過渡期にスポットを当てて、心の発達段階を見ていきましょう。精神科医・庄司剛医師が解説します。

心の成長に年齢は関係ない

このように発達段階を説いたエリク・エリクソンは、1950年代からおおよそ1970年代ごろまでに活躍した重要な分析家です。今でもとても役に立つアイデンティティや基本的信頼感といった重要な概念を提唱した人であることは確かですが、一方でライフサイクルなどに関する考え方は文化や思想の影響を強く受ける部分があります。

 

例えば江戸時代やそれ以前の思春期、青年期ではまったくその様相や人生上の課題が今の時代と違っていたり、ジェンダー・アイデンティティに関することなど、数十年前の説明が現代に合わなくなるというようなことがいろいろ出ていることも事実です。

 

いずれにせよ、それぞれの時期に起こるさまざまなできごとを乗り越えることで心は成長していくため、心の成長に年齢は関係ありません。いかに問題から逃げずに向き合い、受け入れていけるかが重要です。

 

 

庄司 剛

北参道こころの診療所 院長

※本連載は、庄司剛氏の著書『知らない自分に出会う精神分析の世界』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

知らない自分に出会う 精神分析の世界

知らない自分に出会う 精神分析の世界

庄司 剛

幻冬舎メディアコンサルティング

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