医師志望なら「地方国公立大医学部」が狙い目
■旧帝大や都市部の医学部は「超最難関」
旧帝大や都市部の国公立大医学部は、受験では超最難関に位置し、東大や京大の理系学部よりもはるかに難易度が高いのです。名だたる中高一貫校でも、合格できるのはごくわずかです。都市部の医学部を狙うならば、前提として都市部の医学部に高い合格実績を挙げている中高一貫校に在籍していることが条件です。全国で10番程度に入るほどの中高一貫校でなければ、合格する可能性はかなり低いと思われます。
⇒医師を目指すなら地方国公立大医学部が狙い目
■ただし、地方国公立大医学部受験は複雑
一部の超進学校でない生徒が医学部を目指すとなると、現実的には地方国公立大医学部の受験になります。旧帝大や都市部の国公立大では、医学部と医学部以外の理系を目指すのは、同じ問題に取り組みます。したがって、特別な勉強をする必要がありません。受験に関しても、極めて単純です。
これが地方国公立大医学部となると極めて複雑で、受験指導に長けている者でも間違ってしまうことがあるほどです。例えば、英語や数学などで、医学部用に難易度の高いものが用意されています。また理科に関しても、理科が不要であったり、理科が1科目であったりします。さらに推薦入試や地域枠などもあります。また共通テストと二次テストの配分も独自であることから、共通テストの結果を見てから出願校を決める場合が一般的です。子どもの学力や特性を考慮したうえで、合格可能性の少しでも高い大学を選ぶのはかなりの労力が必要です。
⇒地方国公立大医学部は受験科目が多種多様
⇒理科が得意でなくとも行ける国公立大医学部あり
私立医学部なら「推薦入試」を推奨
■私立医学部受験はさらに難解
私立医学部受験も難解です。英語・数学・理科(2科目)が基本的ですが、帝京大学や近畿大学のように数Ⅲが不要な大学や、理科が1科目の大学もあります。設問に関しても、客観式のみの大学や記述式の大学など多岐にわたります。国公立大学では出題歴の少ない医療英文の出題も私立大学では一般的です。この面での対策も必要になってきます。
⇒私立医学部受験には情報が必須
⇒数Ⅲが苦手でも受けられる大学あり
■難化する私立医学部
地方国公立大に合格した生徒でも、地元の私立大学を選択する生徒が増えています。単純な学費だけで言えば国公立大のほうが安いですが、親元から通学することによるさまざまな安心・安全を優先する事例が増えています。特に女の子の場合は、一人暮らしの不安から地元の私立医学部を選ぶケースが大半です。
国公立大医学部と私立医学部を併願する場合は、さらに複雑になります。私立医学部を考えているのであれば、一般入試よりもはるかに入りやすい推薦入試を検討するべきです。私立医学部には国公立大医学部以上に推薦入試が充実しています。推薦入試にも指定校推薦、公募推薦などがあり、一つひとつに条件が設定されているため、推薦入試に詳しい人のアドバイスが不可欠です。なお推薦入試を考えている場合は、学校で良い成績を挙げる必要があります。定期試験では全科目に十分な時間をかけて対策をしてください。
⇒一般入試よりも推薦入試が入りやすい。定期試験に力を入れて学校成績の上位安定を目指す