アカウント型保険が「終身保険」を名乗る理由
この保険は加入から65歳の保険料を支払っている期間を、保険会社では「第一保険期間」といい、65歳の保険料支払い終了以降を「第二保険期間」といっている。
そして「第一保険期間」で貯まった「アカウント(貯金)」のお金で、「第二保険期間」の保障を得るための終身保障の保険に入ることができるので、それが保険の名前に「終身保険」を名乗る理由だとしている。
だとしたら全く「アカウント」部分がない保険はどうなるのだろう。また、第二保険期間になってから「終身保障の保険」を買うか買わないかは加入者の全く自由であって、買わなければ「終身保障」は何もないことになるのだ。
それなのに、「利率変動型積立終身保険」と「終身保険」の名前を入れた保険名称にするのは、加入者の錯覚と誤解を暗に期待する、詐欺的保険でしかない。
この保険を販売している会社の中には、「死亡保障を得ながら、アカウントが将来の資産形成に役立つ」とうたって販売している会社もある。
保険料の中の「アカウント(貯金)」は、ほとんどが月1,000円程度、まれには3,000円という珍しい保険もあるが、一方で前出のように全く「アカウント」のない保険もある。仮に月額1,000円の「アカウント」で貯金し、35歳で加入して65歳まで貯めたとしても、65歳までの30年間に貯まるお金は、わずか元金36万円でしかない。
その36万円を「資産形成」と言うなら、どういう神経をしているのか。消費者をバカにしているとしか思えず、常識を疑う。
65歳時に、その36万円でいくらの「終身保険」が買えるというのか。最低保険金にも満たないで、保険には入れない。それを「第二保険期間」と呼ぶのは、何を根拠にしてそう位置付けているのか、詳しい説明をいただきたいものだ。
このように「アカウント型保険」に加入すると、65歳のときには裸で放り出されるか、葬式のはがき代にもならないお金で放り出されることになる。
これが保険会社の言う「画期的」に(保険会社が)儲かる保険であり、加入者側からみれば「画期的」に不幸になる保険なのだ。
こんな中身を知らずにこの保険に加入している人も目を覚まして、本当に良い保険とはどういう保険なのか、これを機会に研究されてはいかがだろうか。
これから「アカウント型保険」を勧められている人、入ろうかと思っている人も、本記事をよく読んでいただきたい。
似て非なる2つの保険
かつて、この保険と名称がそっくりの、「積立利率変動型終身保険」という、こんなに良い保険があるのかと思える良い保険があった。
とても良い保険だったのだが、保険会社の利益が薄いので発売中止になってしまった。
一方の「アカウント型保険」は「利率変動型積立終身保険」という。
文字をよーく見ていただきたい。使っている文字は全く一緒だが、配列が違う。ところが中身は天と地ほどの違いがあり、前者に加入すれば幸福が確実に待っていたが、後者の「アカウント型保険」に加入したら、その人には確実に不幸が待っている。
・積立利率変動型終身保険
・利率変動型積立終身保険
文字の配置を変えただけの欺瞞。
あなたは、どう思いますか。
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