(写真はイメージです/PIXTA)

白内障手術で使われる「多焦点眼内レンズ」。遠近両方にピントが合い、メガネやコンタクトから解放されるとたいへん便利な一方で、従来の単焦点レンズに比べ「高額すぎる」と敬遠されてしまうことも……今回は、そんな「多焦点眼内レンズ」の詳しい仕組みとその課題について、京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏と、関西大手予備校「研伸館」講師の米田誠氏が、物理学の観点からわかりやすく解説します。

「高いからいい治療」というわけではない

単焦点と多焦点…個々にあった治療選択を

先述したように、老眼鏡などの眼鏡をかける生活を非常に不便に感じる場合は、少々高額でも多焦点レンズを用いた治療が向いているでしょうし、逆に老眼鏡などの眼鏡に慣れてしまっている場合は、単焦点レンズを用いた治療が向いているのではないでしょうか。

 

ちなみに、もともと左右の視力に差があり、その生活に慣れてしまっている場合は、片目を遠方にピントが合う単焦点レンズ、もう片目を近くにピントが合う単焦点レンズを用いる治療を選択するケースもあるそうです。

 

以上のように実際の医療の現場では、治療を受ける患者さんの職業やライフスタイルに合わせて、どのレンズを適用するかが決まっているようです。正解は1つだけではありません。

 

 

鎌田 浩毅

京都大学

名誉教授

 

米田 誠

研伸館

専任講師

 

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本連載は鎌田浩毅氏米田誠氏の共著『一生モノの物理学』(祥伝社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

一生モノの物理学 文系でもわかるビジネスに効く教養

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鎌田 浩毅・米田 誠

祥伝社

京都大学名誉教授の鎌田浩毅氏と、関西の大手予備校「研伸館」の専任講師の米田誠氏という、二人の「理系を教えるプロフェッショナル」がビジネスパーソン向けに執筆した本書は、医療や日常の中にあるテクノロジーを題材にしな…

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