この夏場にはウクライナ方面から「朗報」も
ウクライナ戦争が長期化しているが、カタストロフィーは回避されている。原油・ガス価格は高値波乱ながらこれ以上の攪乱にならないだろう。脱ロシアエネルギー体制構築は時間をかけて実現されていこう。事態は悪化ではなく改善の方向であろう。
6月から新規武器供給を受けたウクライナが反攻し、ロシアは軍事・経済の両面から苦境に陥り、プーチン批判が国内で高まることは必至である。この夏場はウクライナ方面から朗報がもたらされるかも知れない。
中国は失速回避の弥縫策(びほうさく)打ち出せるか
中国経済失速が最大の懸念材料、だが党大会前に習政権は弥縫策(びほうさく)を打ち出すだろう。
コロナ再燃によるロックダウン、不動産バブル溶解による内需の落ち込み、輸出輸入の伸び率急低下などが顕在化し、経済は失速状態……コロナ禍の勝ち組であったはずの中国がいまや負け組になっている。
また、中国依存のグローバルサプライチェーン再構築が始まる。中国から相当な規模の資金流出が起きている模様(2021年1年間で6,000億ドルの対外純資産消失が起きている)。しかし、金融緩和で手当て、公共投資も復活するので一気の下落加速とはならないだろう。
日本が世界投資の「ブライトスポット」に
となると、日本株にチャンスが回ってくる。武者リサーチの「日経平均は4万円になる」の実現可能性が高まっている。依然として潤沢な投資資金、投資対象難のなかで日本の有利なポジションが浮かび上がる。
円安で日本の国際分業上の立場は著しく有利になっている。Jカーブ効果により当初のマイナスの時期を終えこれから収穫期に入っていく。つまり円安の当初は輸入単価が上昇して貿易赤字が増え、その時点では円安はマイナスに見えるが、やがて円安は大きな数量変化をもたらす。
国内市場では割高な輸入品から割安な国産品へ、海外市場では割安な日本製品が外国製品を駆逐してシェアを高め、日本での生産と雇用、投資の活発化に結びつく。海外生産している企業にとっても、海外工場の利益が円安で大きく膨らみ、技術指導料や配当などのサービスや金融所得増加という形で日本の親会社に利益がもたらされる。
ここ10年大きく増加したグローバルM&A実施企業にとって円高時の投資の成果が一気に開花する。一定の雌伏期(しふくき)を経て円安は国内経済活動を大きく活発化させることは必至である。
岸田政権の「新しい資本主義」が反市場的性格を持つと懸念されたが、それは杞憂であったようだ。所得倍増のスローガンは資産所得倍増へと市場よりの政策にシフトしたが、これは歓迎されることである。
②米中対立と円安で日本にハイテク産業が戻ってくること
③世界で最人気の観光地日本が円安で大きく活性化すること
④日本にも一周遅れの住宅ブームが起きていること
⑤企業業績は過去最高、株価のバリュエーションは過去最低水準にあり、内外投資家は日本株を持たざるリスクを意識せざるを得ないこと
などの支援材料が目白押しである。いまは日本株式投資の好タイミングと考えたい。
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