5月に続き、市場予想を上回る利上げを実施
■6月7日、豪州準備銀行(RBA)は金融政策決定会合で、政策金利である翌日物金利の目標を0.5%引き上げ、0.85%としました。
■市場予想では、0.25%の利上げを見込む向きが優勢でしたが、これを大きく上回る決定となりました。利上げを開始した5月も利上げ幅は市場予想を上回っており、RBAは市場の想定以上のペースで利上げを実施しています。
豪州経済は堅調で、利上げに対して耐性ありとRBAは見込む
■RBAは、大幅な利上げの背景として、インフレの上昇をあげています。RBAは、コロナ禍のサプライチェーンの混乱やウクライナ情勢の他、豪州国内で今年発生した洪水や労働市場のひっ迫などの影響を指摘しています。また、電気・ガス料金やガソリン価格の上昇などにより、短期的には想定以上のインフレとなる可能性があるとみています。
■6月1日に発表された豪州の1-3月期の実質GDP成長率は前年同期比+3.3%と堅調で、豪州の失業率は過去50年近くの中で、最も良好な水準にあります。RBAは、最近のコモディティ価格の上昇によって国民所得が押し上げられつつあるとし、今回の大幅な利上げに対しても豪州経済は耐性があると指摘しています。
金融政策正常化に向けて、今後も複数回の利上げを見込む
■5月に続き、市場予想を大幅に上回る利上げとなったことから、金融政策決定会合後の為替市場で豪ドルは対円・対米ドルともに強含み、対円で一時96円台をつけました。RBAは、ウクライナ情勢や中国経済の不確実性による世界経済やコモディティ価格への不透明感を警戒しつつも、今後も金融政策正常化に向けてさらなる措置を取るとしており、今後も複数回の利上げが見込まれます。
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