〈公立中高一貫校の受検対策〉敬遠する親も多いが…「銀本」は最強の対策ツール【合格アドバイザーが解説】

〈公立中高一貫校の受検対策〉敬遠する親も多いが…「銀本」は最強の対策ツール【合格アドバイザーが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

公立中高一貫校を“受検”しようと本気で思ったら、何をすべきでしょうか? 公立中高一貫校合格アドバイザー・ケイティこと窪田亜実氏は、著書『公立中高一貫校合格バイブル』(実務教育出版社)にて、「銀本」を解くことが合格の近道であるとアドバイスしています。銀本を解くべき理由と注意点について見ていきましょう。※ほとんどの公立中高一貫校では、合格者は報告書+適性検査(ペーパーテスト)の合計スコアで決まります。公立中高一貫校は「学力試験で入学可否を決めてはいけない」という決まりがあるため、あくまでも「試験」ではなく「検査」という位置づけで選抜が行われます(受「験」ではなく受「検」と書くのは、そのためです)。

銀本を消化するには「大きな壁」もあるが…

銀本を解くメリットはご理解いただけたと思いますが、取り組む上で大きな壁が2つあります。1つは、解答例がかなりシンプルであること。思考力型の問題のため、答えだけを見ても「どうしたらこの答えになるのか」がサッパリわからないことがあるはずです。解答はあっても解説がないので、わからない問題はそのままになりやすいのです。

 

また、記述問題は十人十色の答え方があるため、解答例と微妙に異なる記述をしたとき、どう採点していいのか判断がつかないことがあります。せっかく解いても「何だかよくわからない」という感想になってしまうと、解いた本人もモヤモヤしてしまいますよね。その結果、銀本を買ったけれどもそのまま放置してしまった…という話もよく聞きます。

 

「塾に通わせれば質問できる」という考えもありますが、適性検査はパッと見て解ける私立型の問題ではないため解説に時間がかかり、「指示していない問題の質問はご遠慮ください」と防衛線を張っている塾がけっこう多いのです。塾側も日々の授業の準備や授業後の山のような添削などがあり、決して余裕があるわけではありません。何人も受け持っているうちの1人の生徒の家庭学習まで細かくフォローするのは、適性検査だからこそ難しいと言えます。

 

もう1つの壁は、保護者添削が欠かせないことです。ほとんどが記述式であるため、「解いた本人以外」の誰かが丸バツをつけないと、甘い自己採点になるのは予想できると思います。解いた本人は解答例と多少の違いがあったとしても、「合っているだろう」という目線で判断しがちです。後から保護者の方がチェックして、「これで丸なわけないでしょ!」とツッコみたくなる甘い採点が多発します。また、誤字脱字、不自然な表現など、解いた本人は気づかないミスも多いので、保護者の方による添削が欠かせません。

 

とはいえ、保護者添削はかなりの重労働です。一問一答型ではないので、記述の添削をするには、その問題を解かないと正しく添削できないからです。問題を理解するのにも時間がかかりますし、さらに添削となると、お子さんが机に向かっている以上に時間を割かないといけないこともあります。添削にかかる時間の負荷が、銀本を取り組む上で大きな壁になっています。

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※本連載は、ケイティ(窪田亜実)氏の著書『公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか』(実務教育出版社)の一部を抜粋し、再編集したものです。

公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか

公立中高一貫校合格バイブル 受検500日前から本番まで「いつ」「何を」するべきか

ケイティ

実務教育出版社

わが子が公立中高一貫校に合格するために「親がすべきこと」がこの一冊でよくわかる! ●公立中高一貫校の受検を検討しているものの、どこから対策すればいいの? ●本当に塾が必要なの? ●どこまで保護者のフォローが必…

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