なぜ、親が過去問を解くべきなのか?
保護者の方が実際に適性検査を解く目的は、主に3つあります。
●どのような参考書を取り入れるべきか、傾向から判断するため
●科目別の優先順位を把握するため
●「あと何をすべきか」を判断できるようになるため
たとえば、立体の問題が多く出ている学校であれば、立体に関する参考書を取り入れたり、理系問題の記述が多い学校であれば、理科・算数の記述に特化した参考書を取り入れたり、大きな桁の計算問題が出るのであれば、中学受験用の少しレベルの高い計算ドリルを取り入れたりします。問題に合わせて必要な参考書を選ぶためにも、保護者の方が傾向を把握しておく必要があるのです。
科目別の優先順位を把握するのも大切です。適性検査は科目の境目がないと言われますが、そうは言っても「算数分野」「社会分野」など、ざっくりとした科目のかたまりは存在します。たとえば、サイコロを展開する問題なら算数分野、フードロスに関する資料問題なら社会分野と分類できます。それぞれの分野ごとに、だいたいの配点を出してみましょう。細かい配点情報が公表されていない場合は、問題数で科目ごとの割合を出してもいいですね。検査によって、6割国語(読解)+4割作文というものもあれば、10割算数というものもあります。配点を分析し、お子さんの得意・不得意と照らし合わせることで、優先して補強すべき科目を判断できます。
そして、これはまだ先(お子さんが本格的に過去問演習を始める時期)の話になりますが、合格ラインの得点までいよいよあと少しという状態になったときに、取り組むべき内容を的確にアドバイスすることができます。問題の傾向を把握しているからこそ、あと5点伸ばすためにはどの分野を最後に鍛えるべきか、その判断材料を得ることができるのです。
こういった分析やサポートは、塾に通っていればしっかり得られるかというと、残念ながらそうではありません。確かに塾では、得点を伸ばすためのツールとしての教材やノウハウは豊富にありますが、よほど個別かつ重点的に見てくれるような環境でない限り、得意・不得意に合わせて最適なタイミングで最適なアドバイスを得ることは難しいでしょう。日頃から添削を通してお子さんの解答をチェックできる保護者だからこそ、サポートできることがたくさんあるのです。