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結論…「上がる金融商品のサイクル」はいまどこか?

以上をまとめると、冒頭にお伝えしたとおりの「株式→一般商品→国債→ゴールド」という流れが確認できます。マクロで言い換えれば、「景気回復→完全雇用→インフレ→引き締め→据え置き→利下げ→QE」という流れの順番どおりでしょう。

 

以上のように極めてシンプルに考えると、「いまはどこか?」が見通しやすくなるように思えます。そして、いまはまだ「国債やゴールドの段階ではない」といえるかもしれません(→もちろん、これらを含め、分散は重要です)。

 

いまは、

 

1.「ブームの対象ではなかったセクターや資産クラス」、
2.「インフレに耐性があるもの(例えば、割安株式や米国リート)」、あるいは、
3.「株式と債券の両方の性格を持つもの(たとえば、ハイ・イールド債券)」

 

などに分散するという段階のように思えます。

 

たしかに、利上げはインフレを抑制するためのものですが、①今回の利上げは実体経済にとっては緩いほか、②いったん進んだ景気のサイクルが戻ることはあまりないため、インフレ圧力は残ると思われます。

重要:ゴールドや一般商品に投資するときの注意点

ウクライナ危機のなかで、ゴールドや一般商品も上昇しましたが、貴金属は上昇分が失われたほか、最近は中国や世界の景気鈍化懸念もあって産業金属も調整しています。持ちこたえているのは、エネルギーと穀物です。

 

まず、ゴールドや一般商品の過去の値動きだけをみると、株式や企業業績のように「緩やかな右肩上がり」になるのではなく、一気に上がったあとにわりと長い調整が続きます。流動性が限られるために、オーバーシュートしやすいこともあるかもしれません。

 

これらの資産クラスが、なんらかの要因によって大きな上昇がみられた場合には、いったん利益確定を出すことも考えられるかもしれません。

 

[図表5]主要な資産の価格(指数化、1971年12月末=100)
[図表5]主要な資産の価格(指数化、1971年12月末=100)

 

また、とくにゴールドは、投機筋やヘッジファンドが株式ロング(=買い持ち)のヘッジとして保有することもあります。

 

すると、たとえば、一般投資家の皆さんが、景気後退のなかで「本来なら、このあとQEでゴールドが来るはずだ」と思っていても、株式市場が調整してファンドに解約が殺到し、ファンドが「株式ロング」と「ゴールド・ロング」の両方を「手じまい」させられることで、ゴールドの価格が大幅に調整する場合があります。

 

同様に、原油や一部の産業金属も、こうした投機筋の影響を受けがちです。

 

たとえば、現状でいえば、ウクライナ危機の事態悪化に備え、原油や天然ガスを買い持ちしていても、株式市場の下落が続けば、上記と同様のメカニズムから資源価格が調整する「リスク」があります。これらは、今後の商品投資に際して、含んでおきたい点だと筆者は感じています。

 

[図表6]主要な資産の価格②(指数化、1971年12月末=100)
[図表6]主要な資産の価格②(指数化、1971年12月末=100)

 

次ページ*補足:「1970~80年代はゼロ金利ではない」

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