「POファイナンスⓇ」…中小事業者の資金繰り全般に大きなメリット

大塚　「POファイナンスⓇ」は、今回のJ-LOD補助金に限らず、さまざまな補助金に活用が可能です（文末［図表3］に一覧を記載）。一方、取り扱い金融機関はまだ全国で17ほどと、エリアが限定される信金、地銀などが多いというのが現状です。

「POファイナンスⓇ」はさまざまな補助金に活用が可能

これまではいわゆる「ゼロゼロ融資^（※）」が中小企業の資金繰りを大きく支えてきました。「POファイナンスⓇ」は比較的安いとはいっても手数料がかかるので、当社が提携を交渉してきた金融機関でも、まずはゼロゼロ融資を勧めるという方針のところが多かったのです。

しかし、足元では、借入時に設定した猶予期間が過ぎた融資から順次返済が始まっています。こうしたなか、通常の与信審査では融資が難しいケースについて、問題が浮上してきています。そこで、解決策のひとつが補助金の利用であり、また資金繰りをスムーズにするための「補助金対応POファイナンス」の活用であると考えています。

高木　ライブ・エンタメ業界の事業者からよく聞く悩みは、コンサートなどの公演を企画したくても、手元にある現金分でしか企画を進められないということです。密を防ぐために座席数を半分に減らすとなると、なおさらです。

そこでJ-LOD補助金と「POファイナンスⓇ」で次の公演の経費分が前もって使えるようになれば、新しい企画を立てていける。資金回転率が高まることで事業の成長ドライバーになるのです。

ライブ・エンタメ業界に限らず、日本では企業数の99.7％が中小企業だといわれるなか、従業員数でみても約7割が中小企業で働いています。中小企業の資金繰りを改善し、成長を後押しすることは、日本経済全体の活性化にもつながります。「POファイナンスⓇ」には期待しています。

中小企業の資金繰りを改善し成長を後押しすることは、日本経済全体の活性化にもつながる

大塚　そういっていただけると大変光栄です。まだまだ力不足の面はありますが、今後ともよろしくお願いします。今回はお忙しいところ、ありがとうございました。

［図表3］POファイナンスⓇ対応の補助金の例

高木 美香

経済産業省

コンテンツ産業課長

羽鳥 博之

経済産業省

コンテンツ産業課　係長

大塚 博之

Tranzax株式会社

代表取締役社長