(※写真はイメージです/PIXTA)

「相続をきっかけに富裕層になる」にはどう行動すればよいのか、株式会社アレース・ファミリーオフィス代表取締役の江幡吉昭氏が解説していきます。

「コロナ銘柄」一点集中して7,000万円投資した結果…

最後に、相続と本業で財を築いた方でこんな方がいらっしゃいました。

 

田中さん(仮名・75歳)は、2020年に現預金が1億円に達しました。そこで、コロナ銘柄の株に一点集中して7,000万円ほど投資することを決めます。しかし、当時1,900円だった株価は、2,500円まで上昇したのち急落し、今ではなんと300円になってしまいました。

 

7,000万円が9,200万円まで上昇したのち、1,100万円になってしまったのです。

 

こうならないためにも、ある程度の目標値になったら、リスクを抑える投資行動が必要といえるでしょう。頭の健康を保つことにも投資は良い影響をもたらす反面、リスクを取り過ぎた場合、高齢の方だと取り返しのつかない事態になりかねないのです。

 

今後、日本では、ついに30年来続いたデフレが意図せざる外部要因(ロシアのウクライナ侵攻・資源高)によって解消しそうです。

 

インフレになった場合でも預金金利が上昇するのは最後でしょうから、やはり現預金が弱くなる時代に、資産運用は必須ではないかと思います。

 

とはいえ、投資初心者がいきなり投資を始めても上手くいくことは難しいです。最初は専門家に習うべきでしょう。ゴルフと同じで、自己流ではなく、最初に専門家に習い、徐々に独り立ちしていくのが最良です。

 

そして、その専門家を選ぶときには「自分でもやっているのか、得意分野は何か、売りたいだけの人か、何か起きた時に逃げない人か」等よく判断してみてください。

 

相続を機に得た資産で『年齢にふさわしいリスクを取り』、『専門家に頼りつつ勉強しながら』資産を増やし、次の世代に資産をバトンタッチしていくべきだと考えています。

 

 

江幡 吉昭

株式会社アレース・ファミリーオフィス 代表取締役

一般社団法人相続終活専門協会 理事

本連載に記載されているデータおよび各種制度の情報はいずれも執筆時点のものであり(2022年4月)、今後変更される可能性があります。あらかじめご了承ください。

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