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「塾を変える」ならせいぜい2回まで
■成績が上がらない要因は「子ども自身」にあることが多い
「転塾を考えているのですが…」と相談を受ける場合には、転塾を考えている理由を聞き出します。というのも成績が上がらない要因は、塾・予備校にあるのではなく、子ども自身にあることのほうが多いからです。子どもの問題を解決、改善しない限り、転塾しても良い結果は得られません。この点を見落とすと「どこかに良い塾はないか」と何度も転塾を繰り返すことになります。塾を変えるのは、せいぜい2回までです。
⇒転塾の理由を今一度考える
⇒子ども自身の問題を考える
■うまくいく転塾、うまくいかない転塾
現状よりもしんどい塾への転塾はうまくいくことが多いです。さらなる飛躍のためには苦しいことを厭わない強い気持ちと意思は、そのしんどさに見合う以上の成果を上げる原動力になります。
逆にうまくいかないのは、楽な方への転塾です。成績を上げるには、それ相当の負荷をかける必要があります。楽して成績など上がることはありません。少人数よりも、大人数。教室授業よりもビデオ授業・オンライン授業、宿題の多い塾よりも宿題の少ない塾への転塾は今一度転塾の理由を考えるべきです。
また、友達が多く行っているからという理由の転塾もうまくいかないことが多いようです。「友達が多いほど楽しい」という意識は、遊園地に行くのなら良いでしょうが、塾は遊園地ではありません。転塾の理由には到底なり得ません。
⇒やさしい塾・予備校や進度の遅い塾・予備校への変更は慎重に
転塾するなら「指導スタイル」を変えるのがお勧め
■「個別型から集団指導へ」「集団指導から個別指導へ」は成功例が多い
どうしても塾、予備校を変える場合は、指導スタイルを変えてみることをお勧めします。個別型から集団指導、集団指導から個別指導への転塾はうまくいくケースも多く見られます。
集団授業では、細かい指導や質疑応答はほとんどありません。質問するのが苦手な生徒が、質問のできる個別指導塾に変わることで、成績が劇的に向上するケースは少なくありません。また集団授業は、学力レベルの高い生徒には向いていますが、分からないことが多数ある偏差値50レベルの生徒には向いていません。
⇒学力が平均レベルなら、質問できる個別指導か少人数の集団授業を検討する
■偏差値50以上なら「集団授業」がお勧め
「なあなあ」になりやすく刺激が少ないのが個別指導の弱点です。集団授業は競争原理が働き、切磋琢磨することができます。個別指導で成績が上がった場合や「なあなあ」感がある場合は、集団授業への移行も有効です。
ただし、競争原理が働く条件は、上位クラスであること、少人数であることです。ここではピア効果が上手く機能しています。ピア効果とは学力の高い仲間と一緒に勉強することで、お互いの刺激となり高い能力が引き出される効果のことです。下位クラスは緊張感のないことが多く、「なあなあ」感の個別指導よりも緊張感がない場合が多いからです。
50人を超えた大人数クラスでは、周囲の子どもの学力を把握できません。誰と競争しているのか分からないからです。
⇒偏差値50以上なら、刺激のある集団授業がお勧め。適度な人数が緊張感をもたらす