高齢者を自宅で介護しているが、そろそろ限界を感じる…。そのような場合は、施設への転居も検討しましょう。ここでは、介護保険を利用できる高齢者施設の詳細について、福祉用具のレンタルや購入の概要等と合わせて解説します。

在宅介護が限界なら、施設への転居も考えて

【対象】 要支援・要介護認定を受けた人
【制度】 施設サービス・特定施設入居者生活介護

 

在宅介護が限界にきたら、施設への転居も考えましょう。介護保険を利用できる施設には「介護保険施設」や「特定施設」などがあります。

 

◆介護保険施設 

 

●介護保険制度にある「施設サービス」が受けられる介護保険施設は、地方公共団体や社会福祉法人が運営する施設で、一定の基準を満たした設備やサービスが利用しやすい料金で提供される。

 

●特別養護老人ホーム(以下「特養」)や介護老人保健施設(以下「老健」)など4種類の施設がこれにあたり、特養は原則、要介護3以上、老健などほかの施設は要介護1以上でないと入所できない。

 

●特養は人気が高く順番待ちの施設が多くなかなか入所できない、老健は一定期間しか入所できないなどの制約があるので、選択のしかたは担当のケアマネジャーに相談するとよい。

 

◆特定施設 

 

●特定施設は、都道府県から指定をうけた事業者が運営する民間施設で、介護保険が適用される「特定施設入居者生活介護」というサービスを提供できる。このサービスは要支援1以上の人が利用できる。

 

●介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、ケアハウスなどがある。

 

●「介護付き」と示された有料老人ホームは原則、特定施設入居者生活介護のサービスが受けられるホーム。

 

●サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)やケアハウスは一般型と特定施設型の施設がある。

 

◆認知症高齢者グループホーム 

 

●認知症の人が住み慣れた地域で、自分たちで家事などを行い共同で生活する施設で、要支援2以上の認知症の人が利用できる。

 

介護が必要な高齢者の住み替え先

 ★介護保険施設 …介護保険の「施設サービス」にあたる 

 

介護老人福祉施設(特養)

介護を受けながら終生暮らすことが可能な施設(原則、要介護3以上)

 

介護老人保健施設(老健)

自宅復帰をめざす施設、入所期間は原則3~6カ月(要介護1以上)

 

介護療養型医療施設

新設はなく2024年に廃止される予定(要介護1以上)

 

介護医療院

医療ケアを受けながら療養できる施設(要介護1以上)

 

 ★認知症高齢者グループホーム認知症対応型共同生活介護) 

 

認知症の人が住み慣れた地域で共同生活を行う(要支援2以上)

 

 ★特定施設 …都道府県から、介護サービスを提供する許可を得ている 

 

介護付き有料老人ホーム

施設のサポートを受けて介護サービスを利用しながら暮らせる施設(要介護1以上)

 

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

安否確認などのサービスを提供する高齢者向け住宅(特定施設の場合は要支援1以上)

*施設によって一般型と特定施設型がある

 

ケアハウス

施設のサポートを受けて介護サービスを利用しながら暮らせる施設(特定施設の場合は要支援1以上)

*施設によって一般型と特定施設型がある

 

※特定施設以外でも、介護サービスを利用しながら生活できるところもある。

 

※特定施設以外でも、介護サービスを利用しながら生活できるところもある。
※特定施設以外でも、介護サービスを利用しながら生活できるところもある。

 

 

溝口 知実

特定社会保険労務士・ファイナンシャルプランナー

※本連載は、溝口知実氏の著書『困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と役立つサービス』(自由国民社)より一部を抜粋、再編集したものです。

困ったときに役立つ! すぐにもらえるお金と使えるサービス

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溝口 知実

自由国民社

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