「70歳への移行」は必ず起きる年金制度改正だ!
70歳定年制に向けた動きと中高年齢者の戦略的活用に合わせるように、年金支給開始年齢の70歳への移行が進んでくる、というのが私の予測です。
政府も厚生労働省も誰も公式には発言していませんが、私は「70歳への移行」は必ず起きる年金制度改正だと確信しています。
少なくとも、50代の会社員の方々には、定年も年金支給も「70歳への移行」を前提に準備した方がいいとアドバイスしています。
私の予想では現在進行中の「年金受給開始65歳への移行」が完全に終わる2026年4月から4年間は「年金受給開始65歳」が継続するものの、2031年4月に66歳からの受給が開始され、そこから12年かけて段階的に移行させていき、2043年4月に、1973年4月2日以降に生まれた男性から「70歳年金受給開始」になっていく、と見ています。
詳細は、筆者の記事『年金受給開始年齢「70歳」はほぼ確定…最悪のシナリオを読む』を参照ください。
完全に「70歳年金受給」となるのは今から21年後ということですが、法改正を経てこうしたスケジュールが発表されるのは数年後ではないかというのが私の予測です。
その頃に大企業に対しては「70歳までの就業確保」が義務化されるでしょう。
さらに言えば、その方法は、定年制度廃止、定年延長、定年後再雇用の三つだけではなく、業務委託契約の締結など「起業支援」がメインになってくる、と私は考えています。
改正高年齢者雇用安定法ではその他に「社会貢献活動への参加支援」も選択肢として提示されています。
ただこれは決して後ろ向きでネガティブな話ではありません。
「そんなに長く働きたくない」と顔を曇らせる会社員は多いのですが、それは仕事が楽しくないからです。
定年ひとり起業をして、月5〜10万円を稼ぐことは、会社員として専門知識、スキルや人脈を培ってきた中高年齢者にとってそれほど高いハードルではありません。
そして好きなことや得意なことを軸にした仕事を組み立てていければ、「雇われない働き方」として何歳まででも楽しく仕事を続けていけるのです。
誰もが70歳まで働き、70歳から年金受給者になる時代が間もなくやってきます。日本には高齢化先進国、課題先進国として世界の先進国に成功事例を切り拓いて見せていくチャンスが今、到来しています。
その中核になるのが定年ひとり起業であり、大企業・中小企業・地方の企業によるひとり起業家への業務委託の積極活用です。
大杉 潤
経営コンサルタント
ビジネス書作家
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