あえて値下がり中の銘柄を買い、株価の「反転」を狙う
今回は、値下がりしている銘柄でも利益が上がる例を紹介します。銘柄はソニーです。今度は少し期間の長いチャートをご覧ください。
[図表]ソニー(6758)の月足チャート
ソニーは2007年5月に7190円の高値をつけましたが、同年に米国でサブプライムショックが発生したことをきっかけに、2008年9月15日には米大手証券のリーマンブラザーズが破たんし、世界的な株価大暴落が起こりました。
東京マーケットではこうした海外市場の下落や景気後退が引き金となって、1988年12月末には3万8957円だった日経平均株価が、2008年10月28日に一時7000円を割り込み、6994円90銭をつける結果となりました。
そうしたなか、ソニーのチャートをみますと、2009年2月に一旦安値1491円をつけてから反発に転じているのがわかります。仮にこの値下がり局面で買っていたら、その後の上昇で3645円をつけていますから、約2.4倍になっていた計算になります。
「一時的な反発」と「値上がり局面」の違いを見極める
このような結果が度々紹介されることから、株は値下がりしているときに買って、値上がりを待てばよいという単純な発想が生まれるわけですが、このとき、まだ上がりそうだと、何の根拠もなく株を保有し続けたとしたら、その後の株価はどのようになっているでしょうか?
まだ上がると考えて売らなかったあとの実際の株価動向を見ますと、高値をつけたあと下落して一旦反発はするものの高値には届かず、2012年11月に772円をつけるまで下落が続き、この時点では投資額が半分になったことになってしまいました。
このように何の根拠も持たずに感覚的な売買を行った場合、下落している途中で買って儲かったように見えても、売却のタイミングを逃してしまうととんでもない損失になってしまうことがお分かりいただけたのではないかと思います。
このソニーのケースでは、いわゆる株価のメイントレンド(=大きな方向)がわかっていないため、一時的な反発を、株価が底入れして本格的な値上がり局面に入ったと思ってしまったところに失敗する原因があります。これもトレンド分析を勉強すれば、避けることができる失敗といえるでしょう。
特に有名企業の場合、そのネームバリューからこれ以上は下がらないと思いがちなので要注意です。