株価の特徴的なパターンを知らずに売買するのは危険
今回は、業績に関係なく、株価の動きだけをみて売買タイミングを知らずに売買したケースを紹介します。下記にあるのは住友不動産の日足チャートです。
[図表]住友不動産(8830)の日足チャート
このチャートをみますと、2015年2月3日に3715円の安値をつけたあと、2015年5月21日まで、上下の値動きを繰り返しながら上昇が続く結果になっているのがわかります。
一方、その後は下落基調となっており、2月3日の安値を割り込む場面があるなど、その安値からの上昇分をほぼ帳消しにしてしまった格好となっています。
このように上昇基調が続いている株価が一変して下落基調になるようなケースでは、特徴的なパターンがいくつかあるのですが、そのパターンを全く知らずに売買を行うと、利益を出せないばかりか大きな損失につながることが考えられます。
例えば、上昇途中の下げで買ってしまうパターンです。
住友不動産は1000株単元ですが、2月20日に高値をつけたあと、下げてきた3営業日目の2月25日に終値の4125円で買ったとします。
その後マイナスになったりプラスになったりを繰り返すなかで、もっとも安いところでは、3月10日の終値で4004円まで値下がりしました。この場合の含み損は約12.1万円となってしまっています。
このように含み損が膨らむ間、みなさんは保有し続けられるでしょうか。
一方で、5月21日に高値をつけたあと、いわゆる押し目買いと称して、一時下げ止まったのではないかと思わせる6月15日に終値の4600円で買っていたとしたら、その後の下落が続くなかで保有し続けることができるでしょうか。
また、仮に保有し続けた場合、8月28日の終値4165円50銭で計算すると、434.5円×1000株=43万4500円の含み損(投資額に対して9.4%)が発生します。このケースのポイントは、そもそも買ってよいタイミングだったのかどうかにあります。