コロナ後を見据えて、再び海外からの投資マネーの流入が活発化しているというフィリピン。一時は大きく値を下げていたフィリピン株式も、過去最高値を記録する企業が続々と出てきています。そんなフィリピン株式の魅力とは? 一般社団法人フィリピン・アセットコンサルティングのエグゼクティブディレクター、家村均氏が解説します。

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銘柄選定が簡単なフィリピン株式市場

最初にフィリピン株式市場の特徴についてみていきましょう。

 

フィリピン株式市場は成長過程にあり、いまはサイズ的にも小さく、現在の上場銘柄は270くらいです。そのなかには流動性が低く投資するには向かないものもあり、それらを除いて投資する銘柄を決めていきます。アメリカの株式市場に上場しているのは4,000社、日本の株式市場に上場しているのは3,600社と言われているので、フィリピン株式はずいぶんと「銘柄選定がわかりやすい」という特徴があります。

 

さらに銘柄数が少ないなかで、注目すべきは内需型企業。なぜならば、フィリピンという国の経済は、これから高度経済成長期に入り、内需が大きく拡大するステージに入るからです。経済が成長すれば、自ずとこれらの企業も成長していくわけです。

 

たとえばインフラを手がける企業、インフラを運営する企業、都市開発を手がけている企業などは、今後、伸びていくだろうということが予想されます。

 

フィリピン株式ではよく「財閥銘柄」という言葉を聞くと思いますが、成長が期待できる企業はこれに当たります。

 

財閥というと、日本では戦後に解体されましたが、フィリピンでは経済全体はもちろん、株式市場でもとても重要な存在です。フィリピン株式仕様では「ホールディングスファイナンス」というカテゴリーがされています。そのなかでも「10大財閥」といって、重要な財閥が10社あります。

 

日本のトップ企業と比べると、まだまだ見劣りする規模ですが、それでも時価総額で1,000億円を超えるようなところはたくさんありますし、そのなかでもトップ企業になると、時価総額1兆円に近づいている企業もあります。フィリピン経済の規模からすると、存在感はかなりのものになります。

 

フィリピンではインフラ整備が国策として大々的に進められ、国家予算の半分を占めています。それらに関わってくるのが、財閥企業です。

 

またエネルギー関連の企業も注目です。フィリピンではGDPが10年で3倍になりました。それだけエネルギー需要が増えているわけですから、それに関わる企業も大きく成長しています。今後も同様の経済成長が見込まれているので、これらの企業もさらに成長することが期待されます。

 

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