学校の成績が平均以下なら「個別指導」からスタート
塾を決める大前提として必要なのは、子どもの学校成績の安定です。言い換えれば、校内順位が平均より上であることです。学校の成績がおぼつかない段階で、塾、予備校は行ってはいけません。学校以外の勉強をすることで、学校のことをする時間がなくなり、成績が上がるどころか下がるのが現実です。本末転倒な結果になることは、火を見るよりも明らかです。
⇒塾・予備校は学校の成績が平均を取れてから
⇒塾・予備校に通うことで、学校成績が下がることも多い
学校の成績が平均以下の子どもであれば、まずは個別指導からスタートです。学校の成績に対する不安をなくしてから、塾・予備校に通いましょう。というのも学校の成績に不安があると、塾・予備校を休む機会が増えます。70%程度の出席率では、大学受験に向けた高度な授業にはすぐについていけなくなります。
それでも塾・予備校に通うなら、欠席した時や授業フォローとして個別指導との併用をお勧めします。個別指導で試験前は試験対策を、それ以外の時は塾・予備校のフォローと使い分けるのです。なお、家庭教師は学校成績を上げるのにはあまり向いていません。学校情報や指導技術に問題があることが多いからです。
成績の上がる塾・予備校の選び方:テストが毎回ある
〈テストのメリット〉
◎分かることと分からないことを区別できる
◎記憶を整理し、記憶の“繋がり”を強化できる
テストがないか、あっても月1回程度の塾は避けましょう。テストを否定的にとらえている人が少なからずいますが、実はテストには学力を測ること以外にも記憶が促されるという研究があるのです。
2006年のRoedigerとKarpickeの論文では、テキストを再読したグループよりもテキストを一度読んだ後にテストを行ったグループの方が2日後、1週間後に覚えている量が多かったことが分かっています。テストが毎回あることで、分かることと分からないことを区別でき、テストによって理解の度合いが判断できるため、理解していない部分を重点的に再学習することが可能です。
また、テストのために覚えたことを思い出す「想起練習効果」により、脳が記憶を再整理します。毎回テストがある塾なら、この訓練のおかげで記憶したもの同士の繋がりも強化されるので思い出すことが簡単になります。