どの生徒にも質問の機会があるか?
〈質問をするメリット〉
◎質疑応答を通じて理解力も言語化スキルもアップ
■「質問」は学習効果を高める技術
授業中や授業後に質問ができるかどうかは必ず確認してください。質問ができない塾や、限られた生徒だけが質問している塾は避けましょう。
「分からないこと」「疑問点」はすぐに解決することが必要だからです。「後でよい」は「後でやらない」と同義です。もちろん自分で解決できるものは自分でするべきですが、自分で解決できそうにないものは積極的に質問をすることが必要です。
質問は学習効果を高める技術ともいえます。質疑応答を通じて、理解度を深めたり、どうした行動をとれば良いかの指針が分かったり、思考を言語化する技術を身につけられたりします。また質疑応答を通じて、コミュニケーション能力を高めることができるなど、質問することには様々な良い効果があるため、積極的に活用していきたいものです。
ただし、実質30人を超える集団授業や非常勤講師などが授業を担当している場合は、質問することは極めて限定的です。講師自体が授業に追われて質問を受ける時間がないことや、一部の積極的な生徒が講師を独占しているケースをよく目にします。こうした環境で学習している場合は、ぜひとも家庭教師や個別指導をつけることをお勧めします。ハイレベルな授業を活かすためには、必要な投資と考えてください。
欠席した際のフォローがあるか?
〈欠席フォローのメリット〉
◎子どもの成績アップにつながる
◎個別指導との併用を検討できる
■難関大志望クラスなら、欠席1回で授業内容8%が抜けることになる
欠席フォローがあるかないかは、現役生にとっては塾選びの大きな決め手です。
一般的に塾は基本が週1コマとして、4ヵ月で12回、月単位では3回ずつ授業があります。しかし、実際の平均出席数は学校行事や定期試験、体調不良などにより7回前後です。そのため難関大学を目指すハイレベルな授業では、1回欠席すると8%の授業内容が抜けるということになります。また、1学期(約3ヵ月)間に2週連続で休む生徒は10%以上いると考えています。下位クラスになればなるほど割合は増えていきます。また、学校成績が芳しくない、平均以下の生徒はさらに出席率は低下します。平均以下の生徒が集団授業で成績が上がらない最大の理由はここにあります。集団授業を受講するには、休まない、休ませないが大前提です。
そのうえで、どうしても休まざるを得ない時は生じます。定期試験中の授業は90%近い生徒が欠席しているのが現実です。そのため、休んだ授業に対する塾・予備校の姿勢を確認する必要があるのです。最近では、VTR視聴で欠席授業を見ることのできるところが増えてきています。また少人数制の塾では休んだ分を直接講師が見てくれるところもあります。
欠席者に対するフォローが期待できない塾であれば、個別指導でフォローするか自分で補うかしかありません。後者の場合は、抜けた部分を次回の授業までに自力で補う必要があります(そもそも自分で補うことができる程度の授業であれば、わざわざ費用を払って塾に行く必要もないと思いますが…)。基本的には塾・予備校を選ぶ場合は個別指導をセットで考えることをお勧めします。
テキスト・カリキュラムがある。プリント授業ではない
〈テキスト・カリキュラムがあるメリット〉
◎テキスト・カリキュラムがあれば講座の質が高い
◎子どものプリント整理の手間を省ける
■プリント授業によって課される「ありえない負担・ストレス」
プリント授業の問題はプリントの整理・管理が大きな学習のハードルになっていることです。プリントの整理は子どもにとってかなり大変だということです。
子どものカバンの中や机の上、引き出しの中はプリントでぐちゃぐちゃになっていることが多いはずです。プリントの整理・管理が苦手な生徒は女の子よりも男の子のほうが多くみられます。
中高一貫校ではプリントを使って授業する場合が多く、全教科合わせると週に30枚以上のプリントを配布する学校もあります。1週間に40枚1ヵ月に100枚以上のプリントを整理して収納する力のある子どもはどれくらいいるでしょうか。
大人の社会ではまず考えられない負担・ストレスをプリント授業は課しているのです。そのため、プリントの整理ができない生徒は、プリントを使って授業する塾・予備校に通わせても効果が出ないのは当たり前なのです。
■プリントが多い=テキスト・カリキュラムがおざなりである可能性が高い
そしてプリント授業の第2の問題は、プリントを使う講師の多くが、カリキュラムが頭の中に明確にないことです。そもそも、塾・予備校にはカリキュラムと教材はリンクしているのが当然の姿です。まともな塾・予備校であれば、それなりに練られたカリキュラム・テキストが必ず用意されているものです。プリントなど必要ありません。必要なプリントであれば、テキストに入れればよいだけだからです。
演習などを除けば、テキスト以外の配布物は不要です。逆にいえば、プリントの多い授業は、テキスト・カリキュラムがおざなりである可能性が高いのです。「オリジナルプリント」といえば聞こえは良いですが、実態は「カリキュラムを無視した授業プリント」の場合が往々にしてあります。作成者がオリジナルプリントであることに「誇り」を持っていても、そのプリントが子どもの「埃」となっているのは皮肉としか言いようがありません。
乾 俊和
株式会社ドゥクエスト 代表取締役社長
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