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「中高一貫校の生徒」はいつから塾に通わせるべき?
■子どもの心理的負担を軽減するためにも、塾通いは早ければ早いほどいい
「いつから塾に通わせればいいですか?」と相談を受けることがあります。「早ければ早いほど良い」と答えています。理由は、2つです。1つ目は、最初に躓かないこと。もう一つは教育は最大の投資であるということです。
小学校時よりもはるかに多くの学習課題、電車やバスによる通学、新たな人間関係、学園生活への期待と不安、思春期を迎えての体の変化など子どもの生活は一変します。学校の授業内容を先取りしておくことは、学校の授業に対して心の余裕を子どもに与えます。
中高一貫校の学習内容は質量ともハイレベルです。授業を1回受けただけで理解できるほど簡単ではありません。塾・予備校で先取りしておくことで学習の重ね塗りができます。2回繰り返すことで理解や思考を深めたり、知識の定着を図るのです。同じことを少し時間をおいて学習することで、予習⇒復習という学習のリズムが生じます。
5月には子どもにとって初めての定期試験が始まります。定期試験を受けるのは大半の子どもにとって初めての経験です。中高一貫校で注意しなければならないのは、一度躓いてしまうと挽回するのには、大きな労力がかかることです。その意味で最初の定期試験は大きな意味を持っています。期待通りの結果が出なければ、子どもの中に劣等感や苦手意識が芽生えてしまうかもしれません。今後の6年間を有意義なものとするためには、最初の試験で躓かないように慎重を期したいものです。
⇒子どもの勉強に対する心理的な負担の軽減化
⇒学習の重ね塗り効果
⇒初めての定期テストをしっかりと乗り切る
「鉄は熱いうちに打て」には「若いうちに物事を習得するのがよい」と「物事を行うのは、熱意があるうちに行うのがよい」という二つの意味を持っています。誰もが知っている言葉ですが、難関中学進学への熱い思いを持っている中1生にぴったりの言葉です。
■教育は、早く投資するほど「リターン大」
日本経済新聞の連載記事を執筆した神戸大学准教授の佐野晋平氏によれば、教育への投資のリターンは、1年あたり約10%だそうです。さらに大学院のリターンは、男性で約16~23%、女性で約13~26%と述べています。銀行預金の金利が年0.001%(三菱UFJ銀行2021)からすれば教育は極めて有望な投資先です。富裕層(世帯年収2000万円以上)が教育費に躊躇なく投資するのには、理由があるのです。アメリカの労働経済学者のヘックマン氏の研究によれば、幼児教育を受けた子どものほうが、そうでない子どもよりも大人になってからの経済状況や生活の質が優れているそうです。
⇒教育は最高の投資先
■高みを目指すなら「優秀なコーチ」が必要
知識も技術もかねそなえた一流のスポーツ選手は、高額な費用を払ってコーチを雇います。もちろん高額なコーチが成功を約束するわけではありません。それでも有能なコーチが引っ張りだこなのは、結果を出すためにはコーチの力が必要と考えているからです。
勉強においても同様です。受験においてもコーチが必要です。勉強のコーチは学校であり、塾、予備校です。もちろんコーチなしで難関大学に合格する子どももいます。とはいうものの、東大や京大をはじめとする超難関大学を目指す子どもを持つ親の多くが、塾、予備校に子どもを通わせながら大学受験を目指しています。
⇒コーチ選びに手を抜かない