(※写真はイメージです/PIXTA)

わが子の将来のため、難関大学への合格を目指して中学受験をさせる保護者が増えています。しかし熾烈な受験戦争を勝ち抜いても、緊張感の薄れなどから「たるみ」が生じてしまい、入学して早々に成績が落ちたり、伸び悩んだりする子も少なくありません。中高一貫校では、一度ついてしまった学力差は開く一方。だからこそ中学生の間に訪れる「3つのたるみ」の特徴を知り、対策を練ることが重要です。個別指導で生徒の8割を東大・京大医学部に合格させた乾俊和氏が解説します。中高一貫校ではない子どもにとっても参考になる内容です。

「中2だるみ」の特徴・対策

■中2は「勉強嫌いの子」が初めて50%超になるタイミング

勉強嫌いになる子が初めて50%を超えるのは中2です(ベネッセ教育総合研究所調べ)。

 

中高一貫校の場合でも例外ではありません。むしろ中学受験で頑張った分だけ、勉強に対してネガティブにとらえていることが多いと思われます。

 

<中2だるみの原因>

●中学受験の疲れ

中学受験の疲れがまだ取れていないケースです。中学受験が苦痛であり、勉強から遠ざかりたいという思いがあります。

 

●勉強が難しい

多くの中高一貫校では、中2になれば一気に学習の負荷がかかります。重要な単元が多く、また進度も速いのでついていくことが一気に難しくなります。ひとたび分からなくなると一気に置いていかれます。

 

●自信喪失

「中学受験の時は成績優秀だったが、進学先では自分以上に良くできる生徒がいる」「どう頑張っても追いつける気がしない」などライバルであればともに頑張れますが、超人と机を並べれば自分がちっぽけに見えてしまいます。

 

●中1の時に勉強していない

英語や数学は積み重ねの教科です。中1段階を適当にやり過ごしてきたツケが一気に回ってきます。それなりに基礎学力は高いが、適当に点が取れていた子どもの成績が急激に下がるのは、これが原因です。

 

●部活が楽しい

中1の頃と比較にならないくらい部活動は忙しくなります。練習もハードになり、試合やコンクールなどで学校から帰ってくると疲労困憊です。勉強は必要最低限で済ませたいのです。

 

●反抗期

親と子、教師と生徒との力関係が変化する時期であり、言うことを聞かない、無視するといった反抗的な行動を取ることが増えてきます。ただ、反抗期は成長のプロセスであり、アイデンティティの確立のための重要な期間でもあります。こうした時期の過ごし方としては、何もしないでほっておくという考えもありますが、かえって状況が悪化するケースがほとんどです。

 

<中2だるみの対策>

●誰もが通過してきた過程であると理解すること

たるんでいる要因は一つではありません。本人も気づいていない複数の要因が重なっていることがほとんどです。焦らず、これも成長の一環であると考えてみてはどうでしょうか。焦って「力」や「強い言葉」で子どもを抑えつけるのは得策ではありません。力や理屈で無理に抑えれば、やがて力や言葉で跳ね返される時が来ます。親への愚痴を子どもから聞かされることが多いのが、この時期でもあります。

 

●理解優先の学習をする

モチベーションが下がっている時は、時間のかかる暗記よりも理解を優先した学習をお勧めします。勉強の楽しさを取り戻すには「理解できた」という経験をすることが効果的です。「分かった」ことの積み重ねが勉強へのモチベーションになります。「理解した」内容を聞けば、さらに勉強の楽しさを味わうことにつながります。

 

●アウトプット中心の学習

問題がスラスラ解けた時や、難しい問題が解けた時には、達成感を感じるものです。少しやさしめの問題に取り組んで達成感を繰り返し感じることで、モチベーションを持続させましょう。得意科目や好きな科目であれば、あえて難問に取り組むこともよいかもしれません。いずれの場合でも、子どもが何かを達成した時には肯定的な言葉をかけてあげましょう。子どもにとっては、それが一番のご褒美かもしれません。

次ページ高校卒業まで脱却できない子も…「本だるみ」

※本連載は、乾俊和氏の著書『具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

中高一貫校生徒の親が知っておくべき 具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40

中高一貫校生徒の親が知っておくべき 具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40

乾 俊和

幻冬舎メディアコンサルティング

勉強への意欲がアップする! 定期テストや模試の成績も上がる! 東大合格も夢じゃない! 塾講師として中高一貫校に通う子どもたちを約30年間サポートし、学校の最下位グループから東大理IIIや京大医学部に進学させた実績…

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