政策金利は6.5%に
■メキシコ銀行(中央銀行、中銀)は3月24日に金融政策決定会合を開き、政策金利を6.0%から6.5%に引き上げました。中銀による利上げはこれで7会合連続となり、高止まりが続くインフレや米国など海外の主要中銀による利上げの動きに対応した政策決定となりました。
インフレは高止まり、景気はやや下振れ
■2月のメキシコの消費者物価指数は、食料品やエネルギー価格の上昇を主因に、前年同月比で7.28%の上昇となりました。ウクライナ情勢の影響もあり当面はインフレの高止まりが続くものと思われることから、弊社では2022年のインフレ見通しを従来の+4.5%から+5.5%に引き上げました。
■メキシコ経済は順調な雇用拡大を背景に回復基調を維持していますが、高水準のインフレやサプライチェーンの混乱による下押し圧力が顕在化してきています。このため、弊社では2022年の実質GDP成長率の予想について、+2.5%から+1.9%に下方修正しました。
金融引き締めは継続、利上げペースは米国次第か
■弊社ではメキシコの政策金利は年末までに8.0%まで引き上げられると予想していますが、今後の利上げペースについては、米国の金融政策の動向に左右されることになりそうです。
■メキシコペソは、ロシアによるウクライナ侵攻により世界の金融市場が大きく動揺した局面では一時的に弱含みましたが、その後は反転し堅調な推移が続いています。弊社では、通貨ペソは今後も1米ドル=20ペソを中心としたレンジ内での底堅い推移が続くものと予想しています。
※当レポートの閲覧に当たっては【ご注意】をご参照ください(見当たらない場合は関連記事『メキシコ中銀が0.5%の利上げを決定【専門家が解説】』を参照)。
(2022年3月25日)
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