全教科が「思考力や読解力が問われる内容」に変化
中学校の英語を例に挙げましたが、ほかの4教科の教科書も、新・学習指導要領に対応して大きな改訂が行われています。教科ごとに、簡単に教科書改訂のポイントを挙げておきます。
●国語
「情報の扱い方」という単元が新設されています。原因と結果、意見と根拠といった情報の関係性や、情報の整理の仕方について学びます。情報化社会で信頼のおける情報を見分け、読み解き、自ら発信する力を育成するのが目的です。また抽象的な言葉を含む幅広い語彙の獲得や、文章の読解、論理的な解釈にも力が注がれています。
●数学
「日常生活や社会の事象を数理的に捉え、数学的に処理し、問題を解決することができる」力を養成するため、身近な生活と数学を結び付けた問題形式が多く採用されています。結果、問題文を正確に読み解かないと、解にたどり着けない問題が増えています。ほかに「データの活用(旧:資料の活用)」として、従来は高校で学ぶ範囲であった「累積度数」を中1で、「四分位範囲」「箱ひげ図」を中2で習うようになっています。
●理科
エネルギー、粒子、生命、地球という理科の4領域共通で、比較、関係付け、関連性や規則性、因果関係などを考えさせる内容になっています。長い会話文を読んでから解くような、思考力系の問題も盛り込まれています。新項目として「自然災害」が加わったほか、中3化学では「ダニエル電池」が追加されています。また「化学式(旧:イオン式)」「顕性・潜性(旧:優性・劣性)」といった用語の変化も注意が必要です。
●社会
地理的分野の授業時間数が5時間減り、歴史的分野が5時間増えています。これは世界史観点から多角的・多面的に日本の歴史を知るため、そして高校の学習内容との接続のためです。中1で学ぶ「時差の計算」は、数学の正負の計算と関連付けられています(教科等横断的な学習)。公民では18歳からの選挙に向けた主権者教育や、電子マネーなどの消費者教育が重視され、地理・歴史・公民ともにSDGsについての記述が加わっています。
大坪 智幸
株式会社花咲スクール 代表取締役、本部校教室長
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