(※写真はイメージです/PIXTA)

個別指導で生徒の8割を東大・京大医学部に合格させた塾講師・乾俊和氏は、英語を習い始めるなら「早ければ早いほどよい」とアドバイスしています。「英語ができること」のメリットや、わが子に効率よく英語を身に付けさせるコツについて見ていきましょう。

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    英語がもたらす4つのメリット

    1. 大学入試が有利である

    英語ができることのメリットとして大学入試で有利であることは周知の事実ですが、世間が想像している以上に有利です。直接的恩恵として「英語の試験が免除になる場合」「二次試験が、英語または英語+1教科だけの場合」「英検取得者のみを対象とした試験」などがあります。直接的恩恵よりも大きいのが間接的恩恵です。おそらく、大学受験で最も学習時間が必要なのは英語です。英語ができる人はその時間を他教科に充てることができます。年間100~200時間程度の差が生じます。高2から受験勉強を始めた場合200~400時間に相当します。理系の生徒が、共通テストで国語(現代文・古文・漢文)と社会に使う時間に相当します。

     

    2. 大学に入ってから、勉強の幅が広がる

    意外と思うかもしれませんが、英語を使うのは文系学科以上に理系学科です。多くの研究が英語で発表されるので、英語ができないと研究が質量ともに広がりません。

     

    3. 将来就ける仕事の幅が広がる

    TOEIC700点以上を求められる仕事には、外資系企業、商社などがあります。逆に、700点以下だとこうした企業に入社できません。また一部上場企業では、入社後も昇進の際にTOEICのスコアが要求されます。

     

    4. 高収入な仕事に就ける可能性が高い

    「英語力が高いほど年収の高い割合が大きくなる」(2020年度エンワールド・ジャパン社の調査)。そこでは、ビジネスレベル(社内会議が英語でできるレベル)に達している人の約47%が年収1000万円を超えています。さらに転職市場では、英語が使えることは有利に働きます。

     

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    英語力を身につける…「語彙」編

    【①見聞きするカタカナ語を積極的に覚えていこう】

    英語の基礎的な語彙を増やす最初のステップとしては、身の周りにある物やカタカナ語を覚えていきましょう。キッチン、バスルーム、ナイフ、スマートフォン、キーボード、ショルダーバッグ、ユニフォームなど、身の周りはカタカナ語になっている英語で溢れています。ビジネス用語として大人が使うカタカナ英語にも、コミッション、エビデンス、オンラインミーティングなど、子どもでもなじみのあるカタカナ語はたくさんあります。

     

    【②子どもが興味を示す分野の語彙を増やそう】

    子どもが興味をもっているジャンルから英語の知識を広げていく作戦も有効です。例えば、オシャレやファッションに興味がある子どもなら、化粧品を例に、さまざまな英語に触れることができます。「シミ隠しのコンシーラーは、conceal(隠す)という単語から来ている」と知るだけで、この単語の意味はもう決して忘れないでしょう。

     

    料理が好きな子どもなら「冷蔵庫」はrefrigerator、「コンロ」はstove、「煮る」はboil、「焼く」はgrill、「炒める」はfry、「かき混ぜる」はstirなど基本的な英語を動作や設備の名前とともに覚えることで、簡単なメニュー(menu)なら、英語のレシピ(recipe)から料理が作れるようになるかもしれません。このように日常生活に学びを混ぜていくと、勉強は格段に楽しくなっていきます。

     

    【③単語は関連性をつけながらセットで覚える】

    英単語を覚える時、手当たり次第に単語を覚えていこうとするのは、まったく得策ではありません。それよりも何らかの関連付けをしながら複数の情報をまとめて覚えていくほうがはるかに効率的で、実戦でも使える記憶となります。例えば、似通ったスペルの単語はできるだけ一緒に覚えましょう。

     

    具体例を一つ紹介しましょう。カタカナ語でクラッシュに該当する英単語は3つあります。clash「衝突する」、crash「(大きな音を立てて)衝突する」、crush「押し潰す」です。

     

    どれも大学入試標準レベルの基本的な語彙ですが、知識や関連づけなしで覚えることは難しいと思われます。まず、clashのclは「ピタッと合う」の意味を表します。close「合わせる」、clam「貝」、clinch「(釘などで)しっかり止める」などが仲間です。「貝の殻が噛み合う」ボクシングのクリンチなどもイメージできます。clash=2つのものが、組み合うイメージです。

     

    crashは、「(飛行機の)墜落」や「(車の)衝突」を表す単語です。単語中央にあるa(ア)は広がりのある音です。物が突然、弾けて壊れる。そんなイメージでとらえておくとよいでしょう。またcr-は「塊り」「押し曲がる」のイメージを持っています。crowd「群衆」、crown「王冠」、crouch「うずくまる」なども併せて覚えましょう。クラウチングスタートは、体が押し曲がっているイメージです。

     

    crush「押し潰す」「圧迫する」の真ん中にあるuは、詰まる音です。近い意味を持つ単語push「押す」と関連づけておきましょう。

     

    これ以外にもadapt「適応させる」、adopt「採用する」では、adaptのaptは「適」を表すこと、banish「追放する」とvanish「消える」では、banが「禁止する」、vaが「無」を表すことを知っていれば、混乱せずに覚えることが可能です。

     

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    次ページ読解力編:「返り読み」や「後ろから訳す」はNG

    ※本連載は、乾俊和氏の著書『具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40』(幻冬舎MC)より一部を抜粋・再編集したものです。

    中高一貫校生徒の親が知っておくべき 具体的すぎる難関大学現役合格メソッド40

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    乾 俊和

    幻冬舎メディアコンサルティング

    勉強への意欲がアップする! 定期テストや模試の成績も上がる! 東大合格も夢じゃない! 塾講師として中高一貫校に通う子どもたちを約30年間サポートし、学校の最下位グループから東大理IIIや京大医学部に進学させた実績…

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