人生100年時代といわれる昨今……仮に100歳まで生きるとすると、60歳で早期退職した場合には残り40年、70歳だと残り30年ものセカンドライフが残されています。そのなかで起こり得るさまざまな「老後リスク」に対して、今後どのように備えるべきでしょうか。のぞみ総合事務所代表司法書士の岡信太郎氏が解説します。

定年後に起こり得るさまざまな「問題」

では、定年時にはどういうことが起こり得るのでしょうか。

 

定年時には通常、子育てが一段落しているものと思われます。その代わりに直面するのが親の介護や相続です。親世代の寿命も延びているので、健在だとしても何かしらの介護が必要で施設入所を検討することも考えられます。

 

親の介護に対応し看取りを終えた後は、今度は自分自身の健康状態が気になるかもしれません。持病が悪化したり、手術や治療の必要性が出てきたりと身体の不調が出てくる可能性があります。

 

介護保険が適用となるのは、基本的に65歳からです。今の時代、60代はまだまだ若いので、実際は70代から利用する方が多いです。

 

そして、身体の衰えとともにやってくるのが、認知症です。

 

いわゆる年相応の物忘れであれば、そこまで生活に支障はないかもしれません。しかし、アルツハイマー型認知症などの病気となれば、治療の必要性が出てきます。そして、認知症の症状が進行すれば、自分で財産を管理することや契約を理解することが難しくなるなど、本人に不利益が生じてしまいます。

 

70代、そして、80代になれば、自分にもしものことがあった場合を意識するようになります。いわゆる終活を始める時期です。お墓のこと、葬儀のこと、そして、自分が築いた財産のことなど、介護や認知症のことに加えて考慮する年代となります。遺言を作成するのもこの年代が多いように思われます。

 

もしこのとき認知症になっていたら、介護や相続のことなどをどうするかを自分自身で決められない可能性があります。認知症の症状によっては、遺言を作成する能力にも影響してきます。

 

老後を中心とした人生年表を確認しながら、自分の人生は自分で決め、よりよい人生を送ることを目指しましょう。

 

 

岡 信太郎

司法書士のぞみ総合事務所

代表司法書士

 

2025年2月8日(土)開催!1日限りのリアルイベント
「THE GOLD ONLINE フェス 2025 @東京国際フォーラム」
来場登録受付中>>

 

【関連記事】

■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】

 

■月22万円もらえるはずが…65歳・元会社員夫婦「年金ルール」知らず、想定外の年金減額「何かの間違いでは?」

 

■「もはや無法地帯」2億円・港区の超高級タワマンで起きている異変…世帯年収2000万円の男性が〈豊洲タワマンからの転居〉を大後悔するワケ

 

■「NISAで1,300万円消えた…。」銀行員のアドバイスで、退職金運用を始めた“年金25万円の60代夫婦”…年金に上乗せでゆとりの老後のはずが、一転、破産危機【FPが解説】

 

■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

 

本記事は、岡信太郎氏の著書『財産消滅~老後の過酷な現実と財産を守る10の対策~』(ポプラ社)から一部を抜粋し、再編集したものです。

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

財産消滅 老後の過酷な現実と財産を守る10の対策

岡 信太郎

ポプラ社

5年後には「65歳以上の5人に一人が認知症を発症する」といわれている昨今の超高齢社会。認知症は介護などの生活面だけではなく、資産運用や契約など財産面にも大きな影響を与えます。 多くの認知症患者の成年後後見人として…

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録